介護保険制度を中心とする行政情報、各地の市民活動団体の活動などを紹介しながら、みなさんとともに「市民福祉」を考えていくサイトです。

国会ファイル > 介護保険法改正  

介護保険制度を中心に、社会保障制度関係の国会情報を紹介しています。 国会情報は衆議院参議院国会議事録検索システムなどから、ダイレクトに探すこともできます。

介護保険法改正案への提言書(2011.05.07)

あきしま地域福祉ネットワーク
(東京都昭島市福祉関連事業者ネットワーク、
東京都昭島市公認介護保険事業者連絡会)は5月7日、
衆議院厚生労働委員会、参議院厚生労働委員会の委員に、
「介護保険法改正案への提言書」を提出しました。


あきしま地域福祉ネットワーク-2011.05.07.pdf

 

介護サービス基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案への提言

 

2011年5月7日
あきしま地域福祉ネットワーク


1.予防給付と地域支援事業の総合化について

 ①予防給付のみ、②地域支援事業のみ、
③予防給付と地域支援事業の何れかの選択制という
3パターンとされているが、
いずれにせよ併給が出来ないということは、
サービス選択の幅が狭まり、
結果、軽度認定者に対する必要な生活援助サービスへの
給付制限に繋がる可能性があること、
保険者への機能の分化は国の責任を転嫁するのみならず、
資源の地域格差を生み、
且つ安価なサービスへの転換によりサービスの質と量が
担保出来なくなる可能性が高く、
要介護状態の中重度化が進行することが懸念されることから
見直すべきである。
 これ以上、複雑で不利益が生じることに対して
国民の合意形成が得られるとは思えず、
地域によってはまさに制度あってサービスなしの状態に
なることが明白である。
軽度者への生活援助の必要性や保険者機能の強化を
検討するのであれば利用者への負担を強いることなく、
時間をかけてリサーチをすることと
保険者への制度運用方法の周知徹底を先にすべきであろう。
そうすることにより、如何に同じ状態像であっても
個別のニーズがあるということも明確化され、
本当に必要な人に必要な分のサービス提供がなされるシステムが
実現できるのではないだろうか。

 

2.地域包括ケアシステムについて
 本法案が、地域包括ケアシステム構築を前提にしていること、
地域包括ケアシステムが将来、わが国が目指す
システムづくりの一つの方策として有効になり得るであろうことは
十分に理解をしている。
 しかしながら、現状では本システムの本質を理解している国民は
どれだけいるのであろうか。
 現実として国民の合意形成がなされていない中で
国民の将来の住まいと暮らしのあり方を変えていくことに対し、
非常に懸念するところである。
 また、国民にとって必要であるシステムであるとするのであれば、
未曽有の大震災により再興を余儀なくされている地域、
被災者の方々に対しても自信を持って勧められ、
復興策として受け入れられるとも考えられる。
 しかしながら、反面、それ程極端な地域概念の
変革を要するシステムだとも言える。
 本来、国民は自身の選択の下、
住み慣れた地域で自分らしく暮らしていける権利を有している。
 よって国の推奨するシステムにはめ込むことがあってはならない
とも考えられることから都市型中心のシステムを地域に導入し、
住み慣れた地域だとしても別の環境での生活を想定することは
「安心」「地域の施設化」の名のもとに
個々に築き上げた唯一無二の暮らしを奪うことに他ならない。
 今般の震災による被災地で県内や近隣への避難を
希望される方々が多いことから考えてみても
人々は長年築きあげた(広義の地域ではない)暮らしを基盤に
生活していくことを望んでおり、
介護保険制度で賄える範囲で考えるべきではないことは
容易に理解できるところである。

 

3.ケアマネジャーの資質向上について
 ケアマネジャーのこれまで以上の資質の向上は不可欠であり、
今後も十分に議論がなされ、成熟すべきである。
 しかしながら現状では資格取得方法、教育システム、
職掌の明確化や再検討をせず、
且つ国(国民)が求める専門職像が明確になっていない状況で
あり方を検討していると感じざるを得ない。
 この問題はケアマネジャーのみならず、
保健・医療・福祉に携わる専門職に対して共通することであり、
どの職種も要介護者に認められ、寄り添い、
スキルを遺憾なく発揮する対人援助職者として
多職種協働でソーシャルワークを行うことが出来るように
していく為の検討がなされるべきものであり、
一部職種が出来ていないと判断すべき問題ではないと考える。
 この件に関してはどの根拠を示されても
善し悪しの根拠はないと言わざるを得ず、
もっと建設的な方策を取るべきだ。

 

以上