介護保険制度を中心とする行政情報、各地の市民活動団体の活動などを紹介しながら、みなさんとともに「市民福祉」を考えていくサイトです。

「軽度者のサービス除外」への主要政党の考え方(2013.07.17)
「共に介護を学びあい・励まし合いネットワーク」(藤原るか・代表)は
社会保障制度改革国民会議(首相官邸)で検討されている
「要支援認定者の給付(サービス)からの除外」について、
参議院議員選挙直前の各政党に考え方を聞きました。
7月17日に公表された回答を紹介します。

[質問]要支援者を介護保険から切り離すことについて(回答到着順)

[民主党]
要介護度の進行抑制、症状の改善の為の介護サービスを重視する。
そのため、軽度の要支援に対するサービスを安易に介護保険から外すべきではない。
かかりつけ医と訪問看護など医療と介護の連携推進、安心して暮らせる住宅の提供、在宅サービスの充実、配色や見守りなど生活援助サービスの促進などにより、介護が必要となっても住み慣れた地域で暮らせるように、地域包括ケアシステムの構築に取り組む。

[みんなの党]
在宅における「軽度」(要支援1・2)を介護保険の対象から外すという意見について、介護保険制度の維持のための一つの論点として一考に値する。
ただし、必要な人に必要なサービスを提供する事が前提となる。
ニーズを把握した上で判断すべきである。
また、介護は「家族」での支援だけにとどめて背負わせるのではなく「社会全体」で取り組むべきであると考える。
介護への株式会社の参入促進、地方自治体への権限と財源の移譲など、みんなでと解決してゆくための制度・仕組みづくりが必要である。

[自民党]
現時点で具体的な方向性が決定しているものではないと聞いています。
今後、社会保障制度改革国民会議等で幅広く論議される予定と承知しています。

[共産党]
要支援1・2の方を介護保険から切り離し、地域支援事業しか使わせない「軽度切り捨て」施策は断固反対です。
これまでも「給付抑制」のために、要介護認定に「要支援」を導入し、2005年には、自公民と民主党も一緒になって介護保険法を改悪して「軽度者」から車椅子や介護ベッドの貸与を取り上げる、利用限度額を引き下げてホームヘルパーなどの利用時間や利用回数を減らす事を余儀なくしました。
そして、民主党政権のもとで策定された社会保障審議会・介護保険部会「介護保険の見直しに関する意見」(2010年11月30日)は「要支援者・軽度の要介護者にかかる給付」を「介護保険制度の給付の対象外とする」方向を公然と打ちだし、同政権は2011年、地域支援事業の中に「介護予防・日常生活支援総合事業」を新設し、要支援者への訪問介護を自治体の判断で「見守り」「配食」などの"安上がりサービス"に置き換えられるようにする法改定を実行しました。
要支援者に介護保険を使わせないという今回の改悪は、歴代の自民党政権と民主党政権がねらってきた、「軽度切捨て」を全面的に実行しようというものです。
要支援1・2の方は全国で約140万人におよび、利用者の26.3%をしめます。
認知症の方も該当する方が多く、増加されると予想される認知症の方の対策としても軽度切捨てはまちがっています。
「軽度」とされていても、部屋の中で伝え歩きしか出来ない、1人では外出できない、ヘルパーの援助がないと生活が成り立たない人もいます。また、懸命に
リハビリに励んで要介護から要支援になった方が、専門の支援を受けられなくなって重度に戻るような事態は本末転倒です。
東日本大震災の被災地ではいまだに介護サービス事業所が再建出来ない、避難者の受け入れで事業所が不足しているなどの現状に対し、国が無策のためにボランティアに頼らざるを得ない、事業所の自助努力に任せられているなどの実態があります。そうした現状を放置しての要支援者の介護保険からの切り離しは許されません。
要支援者の介護保険からの切り離しは実行させることなく、奪われた介護の権利を、必要とする人に戻すべきです。

[社民党]
「軽度」(要支援1・2)を介護保険制度から切り離すことは、介護の社会化に逆行し、介護保険制度への信頼を根底から揺るがすものであり反対です。
軽度という響きは、介護がほとんど必要ではないかのように誤解されがちですが、現実には持病や加齢による様々な機能の低下で、ヘルパーの支援がなければ、在宅で日常生活を継続することが困難な高齢者ばかりです。寝たきりを予防し、施設に入らずに在宅生活を綱渡りのように可能にしています。重度化を防いできた要支援者へのサービスを介護保険給付から外すのは本末転倒です。
また、2006年の介護保険法の見直しで、要介護1・2の人が要支援に介護度を下げられ、その後も要支援の区分に要介護度の高い人が流れ込み、認定結果と実際の状態が合わないケースが増えてきています。
軽度の高齢者を保険給付から外し、地域生活支援事業(市町村の事業)に移行して、ボランティア、NPOなどを活用して効率化すべきだという意見には反対です。要介護者、要支援者ともに公的介護保険でしっかりと支えるべきです。
生活援助をボランティア、NPOなどが肩代わりさせることについては、人材を確保して高齢者の生活を安定的に支えることができるのか、責任の所在が曖昧にならないか、介護専門職の社会的な地位が低く扱われないかなど、懸念があります。
また、財源は自治体の一般財源となるため、保険者(市町村)の判断でサービスの対象を絞ることができるようになります。さらに、自治体の財政力で軽度者のサービスに格差が広がることにもなりかねません。