介護保険制度を中心とする行政情報、各地の市民活動団体の活動などを紹介しながら、みなさんとともに「市民福祉」を考えていくサイトです。

2015.03.02 マイケアプラン研究会「介護保険法改定への緊急提言」
介護保険法改定への緊急提言

2000年に介護保険制度がスタートして以来、何度も制度改定が行われ、その都度、制度は複雑化し、私たち当事者が大切にしてきた自立(律)支援や尊厳という制度理念は全く無視されてきました。

今回の改定では「介護予防・日常生活支援総合事業」という介護保険給付ではない自治体の新しい事業が誕生します。これにより要支援者のサービスの自己選択やケアプランの自己作成は殆んど不可能になり、介護保険制度の根本システムは大きく破壊されます。同時に在宅での生活にとって、最も重要なサービスである訪問介護と通所介護が、特別の場合を除いて、要支援者には保険給付されなくなります。

また、政府も自治体も「地域包括ケアシステム」を提唱していますが、これにより家族、友人、近隣、ボランティア、NPO等によるインフォーマルケアがフォーマルケアの補完物となり、官に依存するコミュニティへと変質するのではないかという強い危機感を感じます。

地域包括ケアシステムが促進されることにより、自由で主体的な生活における日常の介護が、地域密着型サービス偏重となり、ケアマネジャーやサービス事業者の選択がしにくいなど、在宅サービスがいよいよ入所施設サービスに近似すること、また、サービス付き高齢者住宅の増加にも地域生活の施設化が懸念されます。こうしたことで事業者による要介護者等の囲い込みが更に進むことになります。

さらに地域ケア会議の強化に関しても、本来、市民・住民主体で推進すべき地域福祉を高齢者介護のシステム化という視点から進めて行こうとしているようで、地域福祉がますます矮小化される危険性を強く感じます。

介護保険制度は市町村が保険者となって運営するシステムです。従って、政府においては「財政ありき」ではなく、当事者のための介護保険への再転換を強く要請します。また、自治体においては地方分権と地方自治の根本精神に基づいて市民のためのより優れた介護保険制度の構築を強く提言いたします。

私たちは少なくとも「介護予防・日常生活支援総合事業」におけるケアプランの自己作成をなくすことには絶対に反対です。むしろ介護予防にはケアプランの自己作成は非常に有効だという幾つもの事例を知っています。
また、新しい地域ケア会議に当事者と家族が正式メンバーとして参加することも強く要望致します。誰のための介護保険なのかを考えればこれは必要不可欠のことです。

私たちマイケアプラン研究会では15年間、介護保険は当事者のためのものであり、自己選択・自己決定を大前提とし、地域で生ききることを模索してきました。しかし残念ながら、私たち市民がこうした自らの課題に十分に取り組んでこなかった結果、行政が上記のような政策を選択する状況を作ってきたとも言えるのではないかと反省しています。政策への批判や自治体行政への要望だけに終わるのではなく、自らの暮らしや人生を、そして私たちのコミュニティをより大切にするマイケアプラン運動を今までにもましてシッカリと展開していかなければならないと決意を新たにいたしました。

2015年3月2日
マイケアプラン研究会 代表世話人 小國英夫
事務局 Mail : mycare_hitomachi@yahoo.co.jp
Fax: 075-581-9956