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BF102 『未闘病記 膠原病、「混合性結合組織病」の』
稀少難病になった私的ルポ

「難病になったのだ」、「難解文学の書き手のこの私がね」と始まる本作は私小説というより、私的ルポルタージュだ。
著者の本は初めて読んだので、面白い文章構成をするんだな、というのが第一印象。

著者は10代から症状はあったが、それと知らずに小説家として50代を迎え、膠原病と総称される「混合性結合組織病」と確定診断を受けた。
日本では8600人という稀少難病。
2013年2月に全身関節痛と炎症で「何日が家の中を転げ回った」という記録が迫力満点で、よくこんなに心身の状況を覚えていられるなと思うほど。
ひとりで働き続けて家を持ち、「判らない」が多い病を得て、「死ぬの」という恐怖を打ち消しながら、通院に苦労し、老猫の世話をする日々を綴る。

親戚に難病の外科医がいて相談できたこと、大学に勤務し学生たちとの交流があることが救いだ。
随所に著者についてのネットの評判の記述が出てきて、そんなに気にすることはないのではと余計なお世話を焼きたくなるが、それも作家の技法かも知れないので、やめておこう。
あくまでも自分をみつめる強い意思に感服。
(笙野頼子著/講談社/1944円)