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2015.12.22 総理大臣などに 「介護離職ゼロ」についての要望書を提出
介護保険ホットライン企画委員会と介護労働ホットライン実行委員会は12月22日、「介護離職ゼロ」をめぐる政策立案について下記のように要望書を提出しました。

内閣総理大臣 安倍 晋三  様
財務大臣 麻生 太郎  様
厚生労働大臣 塩崎 恭久  様

2015年12月22日

介護保険ホットライン企画委員会
 共同代表:小島美里、林洋子、小竹雅子
介護労働ホットライン実行委員会
 共同代表(弁護士):大江京子、井堀哲、藤澤整

「介護離職ゼロ」に関する要望書

 私たちは、介護保険制度をテーマに電話相談など非営利活動などを行っている市民、弁護士です。これまでにも相談事例をもとに、介護保険制度の課題について提言、要請を行ってきました。
 今年は2014年介護保険法改正が実施され、特別養護老人ホームの新規利用が要介護3以上に制限され、「一定以上の所得者」の利用料の倍増、自己負担(食費・居住費など)の強化が行なわれました。また、2017年度までに要支援1・2のホームヘルプ・サービス(訪問介護)とデイサービス(通所介護)を給付からはずし、市区町村の地域支援事業に移行することが予定され、相次ぐ「制度改正」は超高齢社会の国民生活に大きな不安を与えています。
 制度があってもなお、家族など介護者の負担は大きく、介護殺人や介護心中など悲惨な事件が相次ぎます。また、介護労働者の入離職は激しく、制度の存続そのものを脅かすまでになっています。
このような状況のなか、安倍総理大臣は「ニッポン一億総活躍プラン」(9月24日)を公表し、「介護離職ゼロ」を掲げて「一億総活躍国民会議」を設置しました。財務省は「2016年度予算の編成等に関する建議」(11月24日)をまとめました。厚生労働省はすでに「『保健医療2035』の提言集」(保健医療2035推進本部)をまとめ、行程表を公表しています。しかし、示された内容は、国民の介護実態を直視したものとは言えず、「安心につながる社会保障」や「介護離職ゼロ」とかけ離れていると言わざるを得ません。
 介護保険制度の充実があってこそ、介護不安や介護離職を防ぐことが可能となります。
 私たちは、2014年改正の利用者や介護者への影響を把握、検証することなく、次の見直しについての構想が示されることに強く抗議するとともに、以下の要望をいたします。


1. 「生活援助」を含む訪問介護、通所介護、福祉用具貸与、住宅改修は在宅介護の基幹サービスであり、給付の継続、拡大をはかること

2. 利用料や自己負担(食費・居住費など)の引き上げの検討には、被保険者の負担能力を検証し、負担増を理由とする利用の中止や削減が生じない合理的な設計をすること

3. 「介護離職ゼロ」の緊急対策には、安定的なサービス確保により在宅介護を可能とするため、介護労働者の給与引き上げの具体策を検討すること

4. 要支援を含む介護認定者の市区町村事業への移行は、介護保険制度の原則を維持するため給付を保障すること

以上