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CF085 『サンドラの週末』Deux jours, une nuit
生きていく自信を得るには

サンドラ(マリオン・コティヤール)はソーラーパネル工場で働いているが、体調を崩し、休職していた。
回復してきたので、職場復帰する予定だったが、ある金曜日、社長から突然、解雇を告げられる。
ソーラーパネル生産で台頭する中国との競争に経営が厳しく、サンドラの復帰を迎え入れるか、ボーナスを放棄するかを社員に投票で問い、ボーナスを選ぶ者が多数だったという。
すごい解雇手法だが、社員にボーナスを支給するには、ひとり解雇する必要があるというのが、経営者の言い分だ。

サンドラには幼い子どもがふたりいるし、レストランで働く夫の給与は少ない。
おまけに、一軒家に引っ越したばかりだし、不況の町には転職できるような仕事もない。
社長に必死で掛け合ったサンドラは、月曜日に再投票を行なうことを約束させる。
そして、土日を潰して、ボーナスを選んだ同僚たちの家をたずねてまわる。

同僚たちに「ボーナスを諦めてほしい」と頼むのは、ものすごく勇気が必要だ。
夫や友人に励まされて、訪ね回るサンドラを追うカメラは、社員たちの家がつましいアパートから、共働きの一戸建てまで多様なうえ、家族構成や事情も多彩であることを教えてくれる。
ボーナスがなければ生活できない者から「すまない」と言われれば、「そうよね」と答えるしかない。
ボーナスを選んだことに後ろめたさを感じ、「君に投票するよ」と言われて、嬉しくなる。
共働きの者に、家の改装にボーナスを予定していると言われると、「私は必要のない人間なのか」と微妙な気持ちになる。
落ち込み気味のサンドラだが、ついに同僚たちへの訪問をやり遂げた。
月曜日、再投票の結果がどうなったか...。

平凡で臆病なサンドラが、自分の想いを言葉で伝える行為を繰り返すなかで、少し自信を取り戻し、かすかな希望を抱く過程が感動的な作品。
(ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督/2014年/ベルギー=フランス=イタリア/95分)