介護保険制度を中心とする行政情報、各地の市民活動団体の活動などを紹介しながら、みなさんとともに「市民福祉」を考えていくサイトです。

PC2018-012 介護の利用回数制限は、命の制限!
PC2018-012 介護の利用回数制限は、命の制限!

藤原るか(共に介護を学びあい・励まし合いネットワーク)

 私はホームヘルパーを始めて28年。現在62才です。
 0歳から100歳を越えて在宅生活を継続されている方、延べ1000名を超える方への訪問経験が有ります。
 働く現場を通じての実感として、回数を制限するという事が、要介護高齢者の命の制限をかける事に繋がるのではないかと思い意見を述べさせて頂きます。

 まず、大きな疑問からです。パブコメは一方的に10月から実施が決まっている案件に対して、どのような効力があるのでしょうか?
 何故なら、どのように考えても、個別で多様な暮らしの継続をサポートしている身としては、政府の云う平均値の意味が良く分かりません。

 訪問先は年々増加する単身高齢者、特に後期高齢者の増加から短期記憶が保持できないという、認知症状をお持ちの方が少なくありません。
 1日複数回の服薬や摂食に声掛けや見守りが必要です。
 しかし、実際には必要なプランを組まれていないというのがヘルパーの実感です。
 08年の調査ですが(ホームヘルパーに対し「認知症状をお持ちの方への実践アンケート調査」20都道府県960名)、訪問回数が制限されていると感じるか?という問いに対し、良くある12.8%。ある36.4%で、合計49%、約半数の回答となっている現場です。
 その調査結果から考えても、政府の1日1回~複数回の支援が入る事を問題にされているパーセンテージはプラン反映されている数とは思えないからです。
 現状でも、訪問回数が保障されていないという実態が改善されてはいません。
 さらに規制が強まると、命の制限に繋がる事を指摘したいと思います。

 訪問回数について、次に疑問なのは現在、ホームヘルパーの訪問は1回が45分となった事から、訪問回数が増えたという事もあります。
 原因を作ったのは、厚生労働省です。
 この訪問時間の改訂は、全国調査(平成21年介護サービス施設・事業所調査)から老健局による特別集計からだされ、「掃除・洗濯・調理等の1つの行為は15分未満ですむ場合もあり、3つの組み合わせたとしても45分」との見解からです。
 私は「16分で回せる洗濯機があったら持ってきて欲しい」と厚生労働省の説明に対し迫ってみましたが、その回答は1日2回訪問する事で、「洗濯」を干して取り込む等を考えてはとの物でした。
 実際は生活(命)の優先順位から『食の確保』が選択されています。
 介護保険スタート当時は120分だったものが、現在はその3分の1の時間で支援している訳です。 厚生労働省は45分の訪問時間で、「利用者ごとのニースに対応して効率的にサービスを提供する事により利用者の利便性や負担に配慮すると共に、事業者に置いてはより多くの利用者へのサービスの提供を可能とするという観点から、生活援助の時間区分及び単位を実態に即して見直したとした」という事を忘れてはいないか?という点です。

 最後に、複数回の生活援助(支援)の訪問をしている介護保険上の事業は、24時間定期巡回や小規模多機能などもあると認識しています。
 なぜ、訪問介護だけが問題となっているのか?も疑問です。
 介護保険下において、事業形態に応じて、利用者が不利益をえるという事は、介護保険料金を支払っている事からくる平等性等権利侵害になるのではないかと思います。

 政府が目指す『在宅重視』の施策を支持して、労働環境が整わない中、早朝、昼夜、24時間365日奮闘する1ホームヘルパーからのパブリックコメントです。
 お読み頂きましてありがとうございます!
 超高齢社会日本が、「豊かな未来・社会」を国際社会に示せるよう願っています。