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MF005 2019.12.19 埼玉県八潮市議会「介護保険制度の見直しに関する意見書」
MF005 2019.12.19 埼玉県八潮市議会「介護保険制度の見直しに関する意見書」

埼玉県八潮市議会
「介護保険制度の見直しに関する意見書」
(2019.12.19可決)

 厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会は、来年2020年の通常国会に提出予定の介護保険法改正案の策定に向けた議論を本格化させています。この中で、要介護1、2の「軽度者」が利用する生活援助サービスを、介護保険の給付対象から除外することや、原則1割の介護利用負担をめぐり、2~3割負担になる人を増やすこと、ケアプラン作成の際の利用者負担の導入などが検討されることとなっています。
 要介護1、2の「軽度者」をめぐっては、すでに要支援1、2の訪問・通所介護が2014年の介護保険法見直しによって保険給付から外され、市区町村の裁量で行われる「総合事業」に移されました。しかし、「総合事業」は自治体によってサービスの内容や担い手の確保などで格差があり、すべての利用者に同じサービスが保障されるかどうか、大きな不安を残しているのが実態です。そのもとで、新たに要介護1、2まで保険給付の対象から外すというのは、さらに不安を大きくすることが懸念されます。
 「軽度者」は「小さなリスク」であり、「自立で対応」することを求める声があります。しかしながら、認知症などは、専門化が初期段階で微妙な状態の変化に気づき、早期に対応することで進行を抑えることも可能になります。それには早い時点で公的介護の仕組みに基づく支援が欠かせません。「軽度者」対応の充実が求められます。
 利用料負担率については、すでに2~3割負担にされている利用者の中から、必要なサービスを削ったり、介護施設から退所したりする人が出ています。
もしも2割以上の負担が「原則化」されるようなことになれば、経済的負担に耐えられない人が介護サービスを控える状況が増えることが考えられます。介護保険利用の出発点であるケアプラン作成の有料化も、利用抑制の加速を決定的にするものとなる恐れがあります。
 介護保険は、現在でも「費用負担ができず利用を控える」ことなどが大きな問題になっています。
 よって、国においては、介護現場の状況を把握し、時間をかけ慎重に議論をすることを強く求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

令和元年12月19日
埼玉県八潮市議会

提出先 
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
厚生労働大臣