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2020.04.10 訪問系サービスにおける新型コロナウイルス対策の要望書
2020.04.10 訪問系サービスにおける新型コロナウイルス対策の要望書

4月10日、首都圏のNPO事業所の代表などが、新型コロナウィルス対策をめぐる訪問系サービスについて、総理大臣、厚生労働大臣、国会議員に要望書を提出しました。
以下、国会議員宛ての要望書を紹介します。


衆議院議員・参議院議員の皆様

訪問系サービスにおける新型コロナウイルス対策の要望書

2020年4月10日


埼玉県新座市石神二丁目1番4号
Tel 048-480-4150 Fax 048-201-1311
E-mail  npoennmk@jcom.home.ne.jp

 私たちは、地域に根差した訪問系サービスにかかわる事業所と介護労働者として、今回の新型コロナウイルス蔓延に伴う在宅介護の状況に強い危機感を抱いております。
現在、特別養護老人ホームやデイサービス(通所介護)などの介護現場をはじめ、ケアマネジャーや居宅サービスの利用者にも感染が広がっています。
 なかでも、ホームヘルプ・サービス(訪問介護)に代表される訪問系サービスは、十分な情報がないまま、サービス提供の継続を求められています。今後、デイサービスやショートステイ(短期入所)の休止により、訪問介護に代替する希望が増えることも予想されます。
 感染による自宅待機、濃厚接触など感染の疑いがある利用者(家族を含む)への対応にも苦慮しています。利用者の食事や排泄、身体の清潔など日常生活を維持し、命と健康を守るために、ホームヘルパーの訪問は最後の砦というべきであるにも関わらず、事業所への行政のバックアップはあまりに貧弱と言わざるをえません。
 厚生労働省は3月6日、事務連絡『社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について』で「訪問介護事業所等における対応」を示しました。
 そこでは感染が疑われる者や濃厚接触が疑われる利用者に(保健所と相談した上で)サービスを提供する場合、感染防止策を徹底することが挙げられています。しかし、訪問系サービスは、医療職が常時配置されている施設サービスと介護を行う環境・条件が決定的に異なります。しかし、事務連絡では、ホームヘルパーが単独で介護する訪問系サービスに特化した配慮がなされていません。
 また、入手困難な使い捨てマスク、消毒液や防護衣等の準備など、費用負担を強いるのでしょうか。私たちは強い違和感を抱いています。訪問系サービスは弱小事業所が多く、近年は閉鎖・倒産が相次ぐ状況にあります。それでも緊急事態の中で、地域で暮らす要介護高齢者を感染から守り、生活を保つために最前線で努力しています。
 訪問系サービスの事業所とホームヘルパーに、具体的できめ細かな対応策を求めます。
 また、利用者が感染あるいは感染の疑いがある例への対応のみならず、介護を担っている同居家族などが感染した場合の対応も非常に深刻です。家族などが病院やホテル等に移動隔離された場合、残された利用者の生活を維持するために、緊急のホームヘルプ・サービスが新たに求められます。
 利用者にはひとり暮らしや高齢夫婦世帯が多く、認知症などで理解力や判断力が弱い人が多数いる現実へのきちんとした認識と、それへの配慮が必要です。
 予断を許さない状況が続く中、感染の恐れを抱きながら、日夜地域の介護を支えている訪問系サービスについて効果的な対策を早急に行うことを強く求めます。
 要望は下記の3点です。なお、この要望には介護保険事業だけでなく、障がい者居宅介護サービスも含みます。

要望1.訪問系サービス事業所へのきめ細かい感染予防、感染対策の周知徹底を求めます。

1-1. 濃厚接触や感染の疑いがある利用者を訪問する場合、市区町村や保健所などが責任を持って事業所に対応するよう、具体的な指示を出すことを求めます。
1-2. 介護労働者、利用者とも感染疑いがある場合、必ず検査を行い、安心して介護を続けられる体制を早急に整備することを求めます
1-3. ひとりで利用者宅を訪問するホームヘルパーに、最低限必要な感染症に対する知識を徹底させるため、具体的かつわかりやすい訪問時のマニュアルを早急に作成し、事業所に徹底周知することを求めます。また、医療機関との情報共有ができる体制を早急に構築してください。
1-4. マスク、消毒用アルコール、防護服など、入手困難な必要物品を、事業所に速やかにかつ優先的に支給する体制を早急に築くことを求めます。
1-5. サービスを提供するホームヘルパーなど介護労働者に感染の疑いがあり、事業所が休止せざるを得ない場合、利用者の情報を事業所間で共有し、他の事業所が代替できる準備を早急に整えることを求めます。

要望2.訪問系サービス事業所と介護労働者が新型コロナウイルス蔓延時に、できるだけ安心して働き、休める環境整備を求めます

2-1.  新型コロナ ウイルス感染者やまたは濃厚接触者への訪問介護等に対する介護報酬の創設を求めます。
2-2. 雇用調整助成金は「新型コロナウイルス感染症緊急特定地域の指定に係る要件等」の条件が厳しく、対象となる事業所は限定されるため、要件緩和を求めます。
2-3. 訪問サービスを含む新型コロナウイルスに対応した事業所の従事者に対して、特別手当の創設を求めます。

要望3.ホームヘルパーの緊急増員を求めます

 ホームヘルパーの高齢化と人材不足が著しいなかで、新型コロナウイルスによる感染拡大が起きているため、訪問系サービスを増やすどころか、維持することすら困難な状況にあります。
 潜在ホームヘルパーの復帰や、現職ホームヘルパーへの臨時手当など給与増額を含めて、早急に訪問系サービスの人材を増やす対策を打ち出すことを求めます。

以上