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2020.09.10 京都「総合事業の拡大路線」への反対声明
2020.09.10 京都「総合事業の拡大路線」への反対声明

京都市の「よりよい介護をつくる市民ネットワーク」は9月10日、門川大作・京都市長に、厚生労働省がパブリックコメントを募集中の省令改正案について、「声明」を提出しました。

京都市長 門川大作様

声明
私たち「よりよい介護をつくる市民ネットワーク」は
厚生労働省が目論んでいる「総合事業の拡大路線」には断固反対する

 2015~2017年度に京都市を含む全国の市町村が展開することになった介護保険の要支援者を対象とした「総合事業」は保険給付からホームヘルプとデイサービスを外し、行政サービスに転換した。
 現在、厚生労働省においては来年度以降、この「総合事業」を要介護者にも適用しようとしている。
 つまり、厚生労働省の目論見は総合事業を利用している(利用させられている)要支援者が、要介護利用者になった場合、利用者が希望すれば市町村の判断で引き続き総合事業を利用することができるという仕掛けである。
 これは介護保険給付を受けることが出来るという被保険者の基本的な権利に対する明確な侵害であり、ますます介護保険給付を措置時代のような行政サービスに先祖返りさせようとするものである。
 要支援者も要介護者も共に介護保険の被保険者であり毎月保険料を支払っている。にもかかわらず保険給付を受給する権利を更に制限し「保険あって給付なし」という実態を作り上げようとする厚生労働省の目論見はまさに介護保険潰しの暴挙以外の何ものでもない。
 これは近年、厚生労働省がずっと目論んできたいわゆる軽度者の切り捨て、総合事業の適用範囲を要介護1・2にまで拡大しようとすることへのなし崩し的な施策であることは明白である。特に訪問介護における生活援助の軽視は根本的に間違っていることを改めて指摘しなければならない。
 われわれ5つの市民団体で構成するよりよい介護をつくる市民ネットワークはこの政府の目論見に全力を挙げて反対するとともに、京都市をはじめとする市町村に対し、要介護者への総合事業適用を実施しないことを強く要望する。
 加えて京都市が先頭に立って他の市町村と連携し、こうした政府の暴挙を許さない行動に早急に取り組まれることを京都市当局に強く要望するものである。
 よりよい介護をつくる市民ネットワークは多くの市民団体等に呼び掛け、マスコミにもアピールしてこうした暴挙を阻止するための効果的なアクションを起こす決意である。

よりよい介護をつくる市民ネットワーク
代表 小國英夫(マイケアプラン研究会)

[よりよい介護をつくる市民ネットワーク構成団体]
NPOきょうと介護保険にかかわる会
高齢社会をよくする女性の会京都
京都ヘルパー連絡会
NPO助け合いグループりぼん
マイケアプラン研究会

[事務局]
NPOきょうと介護保険にかかわる会
〒604-8811
京都市中京区壬生賀陽御所町3-20 賀陽コーポラス809
FAX.075-821-0688

[参考資料]
○電子政府の総合窓口
パブリックコメント
募集期間:2020年8月25日~9月23日
(1)第1号事業に関する見直し
 1.第1号事業の対象者の弾力化
[改正の概要]
〇第1号事業 について、要介護者であっても、本人の希望を踏まえて地域とつながを継続することを可能とする観点から、市町村が認めた場合には、要介護者であっても第1号事業を受けられることとする。
[施行期日]
 公布日:2020年10月中旬(予定)
 施行日:2021年4月1日
○厚生労働省老健局
1.介護予防・健康づくりの推進
1-2.総合事業
 現在、総合事業の対象者が要支援等に限定されており、要介護認定を受けると、それまで利用していた総合事業のサービスの利用が継続できなくなる点について、本人希望を踏まえて地域とのつながりを継続する観点から、介護保険の給付を受けられることを前提としつつ、弾力化を行うことが重要である。
○厚生労働省老健局
総合事業の対象者の弾力化(要介護認定を受けた者)
 総合事業のサービスのうち、介護予防・生活支援サービス事業(第1号事業)の対象者については、要支援者及び基本チェックリスト該当者(要支援者等)となっているが、意見書を踏まえ、所要の見直しを行うこととする。
具体的には、要支援者等に加えて、市町村の判断により、要介護者についても、介護予防・生活支援サービス事業の対象とすることを可能とする。
なお、要介護者が介護予防・生活支援サービス事業を利用する場合についても、現行の要支援者等と同様の取扱いとする。