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2020.10.31 労働者住民医療機関連絡会議幹事会 省令改正への抗議声明
2020.10.31 労働者住民医療機関連絡会議幹事会 省令改正への抗議声明

要介護認定者の総合事業移行に反対する
介護保険法施行規則の一部を改正する省令(2020年10月22日)に抗議する声明

厚生労働省は2020年10月22日の省令において、介護保険法施行規則の一部改正を公布した(厚生労働省令第176 号)。
内容は、「要支援認定で総合事業サービスを利用していた人が要介護認定になった場合、総合事業サービスの利用を継続できる(本人の希望があり市町村が認めた場合)」というものである。
労住医連幹事会は、この「省令改正」が、要介護認定者の介護保険給付外しにつながること、給付から外れることによりサービスを受ける機会と質が著しく下がる可能性があること、何よりも被保険者である高齢者の持つ受給の権利を侵害するものであることが明らかであることから、その実施に強く反対し、撤回を要求する。

1.介護保険認定者は要支援も含めて介護保険の給付対象者だった。
ところが2014 年の「改正」で現場の多くの反対を押し切って要支援認定者切り離しが行われ、ホームへルプサービスとデイサービスは給付から除外され、総合事業に移行された。
今回の「改正」でも「本人の希望」と「市区町村の判断」という理由のもとに、要介護認定者を介護給付から外ことが可能になる。
昨年、要介護1 と2 の在宅高齢者への「生活援助」の削減という提案があったが、今回の「改正」は要介護者の給付外しを先導する極めて危険なものである。

2. 総合事業の実態も明らかになっていない。
これまでほとんどの市区町村は「総合事業」で行われるべき「多様な提供主体」を整備できずにいる。
あるのは介護報酬を超えてはならないという制約のもとでのサービスの量と質の低下である。
地域による格差がどれだけあるのかも明らかになっていない。
加えてこのコロナ禍の中での介護現場の疲弊である。
人材不足が長期化すれば指定事業所の維持が困難となり、設置・運営基準も定まらない総合事業がその代替えを行わざるを得なくなる。
このような現状のもとで全国一律の「省令改正」は介護認定者の受給権利を著しく剥奪するものである。
今回の「改正」は、「制度の持続可能」のもとに進められてきた介護保険給付抑制の流れによるものだが、その抑制が要支援から要介護へと広がる極めて重要な転換点であり、越えてはならない境界線を越えるものである。

労働者住民医療機関連絡会議幹事会は、介護認定者の受給権利を著しく阻害する今回の「省令改正」に強く反対し、撤回するとともに国会において十分な審議を行うことを要求するものである。

2020年10月31日
労働者住民医療機関連絡会議幹事会