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2021.10.22 介護保険制度についての【日本共産党】の回答
介護保険制度についての【日本共産党】の回答(2021.10.22)

質問1. 訪問介護の今後について
 在宅介護の要となる訪問介護は、要支援認定者を給付からはずして地域支援事業に移行するほか、ケアマネジメント(居宅介護支援)による「生活援助」の利用回数の制限が行われました。今年10月1日からは居宅介護支援事業所単位で、契約する利用者の利用限度額(区分支給限度基準額)を合計し、その42%以上の訪問介護を組む場合、市区町村の「点検」の対象にして、ケアマネジメントを経由して、要介護認定者への個別給付を制限する見直しが行われました。
 訪問介護の一連の抑制策について、貴党の見解と方針をお教えください。

「訪問介護」についての回答
 ご指摘の訪問介護の一連の抑制策は、現政権の社会保障費抑制策の一環として導入されたものと考えます。
 こうした改悪は、利用者の状態悪化や家族の困難に拍車をかけ、「介護保険だけで在宅生活を維持できない」状況をますます深刻化させるだけです。
 訪問介護は、要支援者・要介護者の在宅生活の要であり、そこに抑制をかけることは、状態悪化、重度化をもたらし、かえって給付費の増大を招きます。
 日本共産党は、要支援1・2の訪問介護を保険給付から外して自治体の「総合事業」に置き換えた、2014年の制度改悪を撤回し、保険給付に戻すことを主張しています。
 軽度者に対する訪問介護の厳しい利用制限をあらため、生活援助の時間基準短縮などのこの間続けられてきた在宅サービス切り捨ても抜本的に見直すべきです。
 自公政権が検討を続けている要介護1・2の訪問介護とりあげを阻止させるために、全力をあげます。

質問2. 認定者の利用限度額(区分支給限度基準額)について
 介護保険では、介護保険料を払う被保険者であるだけでは給付の対象にはならず、認定(要支援認定・要介護認定)を受ける必要があります。
また、認定を受けても、複数の在宅サービス、地域密着型サービスを組み合わせたケアプランを作成する場合、認定ランクごとに利用限度額が設定されています。
 1の質問のように、認定を受けた人の受給権である利用限度額に対して、さらに二重の制約がかけられています。
 認定を受けた者のサービスを利用する権利(受給権)と利用限度額について、貴党の見解と方針をお教えください。

「利用限度額」についての回答
 コンピューターによる判定が中心の要介護認定については、高齢者に必要な介護が正しく反映できないという問題点が、現場や専門家から指摘されています。
 そうした"ハードル"を乗り越えて受給権を得ても、利用限度額に阻まれて、必要なサービスを受けられないのでは、ご指摘のとおり、二重・三重の制約だと考えます。
 日本共産党は、このような利用者の受給権に制約を加える改悪に反対し、ケアマネジャーなど現場の専門家の判断で、適切な介護を提供するべきと考えています。

質問3. ホームヘルパー(訪問介護員)について
 訪問介護を担うホームヘルパー(訪問介護員)は、「登録ヘルパー」と呼ばれる非常勤・時給の労働者が多く、介護労働者のなかでも平均年齢が高いことが指摘されています。また、介護労働者のなかでも離職率は高く、現状でも人材不足が際立つなか、「人材確保」の方策も後継者の養成も乏しい状況が続いています。
 ホームヘルパーの確保策について、貴党の見解と方針をお教えください。

「ホームヘルパー」についての回答
 ご指摘のとおり、訪問介護では、登録ヘルパーやアルバイトなど、非常勤職員が多数をしめ、低賃金、無権利のために離職も相次ぎ、職員の高齢化と人材不足が深刻化しています。
 こうした介護人材の不足は、公的介護制度の存廃を脅かす重大問題であると考えます。
・介護保険の保険料・利用料に連動させることなく、介護労働者の賃金アップを図るため、国費による賃金引上げの仕組みを創設します。
・介護報酬を引き上げながら、事業所の雇用管理や法令順守を図り、正規化・常勤化の流れをつくります。
・サービス残業の根絶、長時間労働の是正をすすめます。
・夜間の訪問介護を安心して働ける「2人体制」にします。
 これらの施策をすすめて、ホームヘルパーを確保していきます。

質問4. 認定を受けてもサービスを利用していない人たちについて
 介護保険に加入している被保険者は2018年度の段階で、7,683万人になります。
 しかし、認定を受け、介護保険の給付を受けることが可能な人は658.2万人で、8.7%に過ぎません。65歳以上の第1号被保険者で、認定を受けているのは645.3万人(18.1%)で、約2割にしかなりません。おまけに、2014年度以降、認定を受けてもサービスを利用していない「未利用者」が100万人を超えています。
 2019年度の認定者は669.3万人ですが、受給者は515.8万人で、「未利用者」が153.5万人になります。認定を受けても23%とほぼ4分の1の介護を必要とする人たちがサービスを利用していないのです。
 認定の手続きは訪問調査による一次判定、市区町村の認定審査会による二次判定と、時間も手間もかかるものです。面倒な手続きを経てもなお、サービスを利用していない100人を超える人たちについて、対策が必要と思いますが、貴党の見解と方針をお教えください。

「サービスを利用していない認定者」についての回答
 時間と手間をかけて要介護認定を受けてもサービス利用をしない人が100万人にのぼる背景には、1~3割の利用料や、施設の食費・居住費など利用者負担の高さがると考えます。
 また、利用限度額などの制約の中、必要なサービスを必要なだけ受けられないことも、サービス利用をあきらめてしまう要因になっていることが考えられます。
 6年前、介護保険制度の導入を主導した元厚労省官僚が、この間の連続的な利用制限の改悪を批判し、介護保険が「国家的詐欺」になりかねないと懸念の声をあげましたが、まさにこのままでは公的介護制度が有名無実化しかねません
 利用者負担増や利用制限の改悪をやめ、利用料の減免、保険給付の拡充、それらを利用料・保険料にはね返らせないための公費負担割合の引き上げが必要であると考えます。

質問5. 所得の低い認定者について
 2000年度にスタートした介護保険のサービスのなかで、この20年間、利用者が10倍以上に急増しているのは認知症グループホーム(認知症対応型共同生活介護)と介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)です。
 どちらも利用者負担のほか、居住費や食費、日常生活費などが全額自己負担になります。特別養護老人ホームに代表される施設サービスには、低所得者向けの補足給付(特定入所者介護サービス費)があり、居住費や食費の補助がありますが、認知症グループホームと介護付き有料老人ホームは「施設」に該当しないため、対象になりません。
 つまり、認知症グループホームや介護付き有料老人ホームを選択できるのは、一定以上の所得がある人々です。
 このため、低所得の認定者は特別養護老人ホームに申し込みをして、在宅で待機せざるをえません。また、特別養護老人ホームは要介護3以上の認定者が原則となり、要介護1と2の人は「特例入所」に該当しない限り、利用することができません。そして、在宅サービスも訪問介護や通所介護など多くの人が利用しているサービスは抑制基調にあります。
 介護保険料を払い、介護が必要と認定されているにもかかわらず、すでに利用料の自己負担が苦しいため、少ないサービスでしのぐ、あるいはサービスをあきらめる人も少なくありません。
 生活保護の対象にはならない低所得の認定者について対策が必要と考えますが、貴党の見解と方針をお教えください。

「所得の低い認定者」についての回答
 低所得の認定者が必要なサービスを受けられるための制度の見直しが必要であると考えます。
・1~3割の利用料について、低所得者の減免制度を国の制度としてつくります。
・介護3施設以外の小規模多機能、グループホームなどにも低所得者向けの食費・居住費の補助制度をつくります。
・介護3施設の補足給付についても、対象を絞り込む改悪をやめさせて、減免の拡充をすすめます。
・保険料についても、国による減免制度をつくり、滞納へのペナルティを見直します。