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    <title>市民福祉情報オフィス・ハスカップ</title>
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    <updated>2012-05-06T05:00:52Z</updated>
    <subtitle>介護保険制度を中心とする行政情報、各地の市民活動団体の活動などを紹介しながら、みなさんとともに「市民福祉」を考えていくサイトです。</subtitle>
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    <title>CF043　『山猫』　Il gattopardo</title>
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    <published>2012-05-06T03:59:55Z</published>
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    <summary>退くプライドイタリアの巨匠・ヴィスコンティ監督は、10世紀までさかのぼるというミラノ貴族の出身で、華麗で難しい作品が多い。ストーリーやロケーション、音楽から衣装まで徹底的にこだわった美しい作品群はもはや古典だが、美少年にのめり込む芸術家を描いた『ベニスに死す』（1971年）、孤独な老教授と若者の交流をテーマとする『家族の肖像』（1974年）など、「老い」と「世代対立」を取り上げた作品が結構ある。『...</summary>
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        <name>小竹さん</name>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>退くプライド</b></font></div><div><br /></div><div>イタリアの巨匠・ヴィスコンティ監督は、10世紀までさかのぼるというミラノ貴族の出身で、華麗で難しい作品が多い。</div><div>ストーリーやロケーション、音楽から衣装まで徹底的にこだわった美しい作品群はもはや古典だが、美少年にのめり込む芸術家を描いた『ベニスに死す』（1971年）、孤独な老教授と若者の交流をテーマとする『家族の肖像』（1974年）など、「老い」と「世代対立」を取り上げた作品が結構ある。</div><div><br /></div><div>『山猫』の舞台はシチリア島。</div><div>時代は1860年、ガリバルディ率いるイタリア統一運動の義勇兵が上陸し、ナポリ王国を滅ぼそうとしていたとき。</div><div>「山猫」の紋章のもとに300年間、シチリアに君臨してきたサリーナ公爵家のドン・ファブリツィオ（バート・ランカスター）は、「中産階級が貴族階級の権力を得るだけだ」と冷静に考えながらも、生き残るためには少々の変化（イタリア統一）を受け入れなければと考えている。</div><div>公爵の甥・タンクレディ（アラン・ドロン）は義勇軍に参加し、一旗あげる野心を抱いている。</div><div><br /></div><div>公爵は息子のように可愛がっているタンクレディの資質を伸ばすには、内気な自分の娘より、台頭する中産階級である資産家、カロージェロの娘・アンジェリカ（クラウディア・カルディナーレ）がふさわしいと考える。</div><div>美貌のアンジェリカにタンクレディは一目ぼれ。</div><div>公爵夫人は「スキャンダルだわ！」とヒステリーを起こすが、公爵は「私はもう決めたのだ」と一喝する。</div><div><br /></div><div>1861年、サルディニア国王ヴィットリオ＝エマヌエーレ２世によってイタリアは統一され、国王の使者が新政府の上院議員になってほしいと公爵を訪ねて来た。</div><div>だが、公爵は新政府の誕生を認めはしたが、「新旧ふたつの世界にまたがって生きている」自分は適任ではないと辞退する。</div><div>数日後、アンジェリカを社交界デビューさせるため、公爵は大舞踏会を開いた。</div><div>若い世代の輝きをみつめつつ、体調が思わしくない公爵は控えの間で、臨終の老人を家族が見守る絵をみつめる...。</div><div><br /></div><div>大家族の家長が老いを自覚し、古い世界に生きる人間として若者に場を譲る知性と悲哀を教えてくれる作品。</div><div>破格の製作費が伝説となっている大舞踏会シーンを楽しむとともに、日常生活に根づくカトリック信仰、『ゴッドファーザー』３部作（フランシス・フォード・コッポラ監督）で知られるマフィアの地・シチリア島の特異な歴史も教えられる。</div><div>（ルキノ・ヴィスコンティ監督／1963年／イタリア・フランス／186分）</div> ]]>
        
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    <title>CF042　『エンディングノート』</title>
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    <published>2012-05-06T03:58:49Z</published>
    <updated>2012-05-06T05:00:25Z</updated>

    <summary><![CDATA["終活 "&nbsp;も段取りが大事「私の名前は砂田知昭、享年69 歳になります」。少々たどたどしい女性のナレーションではじまる本作は、主人公・砂田さんの末娘が撮影、編集、監督し、ナレーションもこなしたドキュメンタリー。膨大なホームビデオがテンポよく編集され、段取り好きで、ときにユーモラスな砂田さんの「最期の半年」が、プライベートフィルムにとどまらない鑑賞作品となっていることに驚いた。高度経済成長...]]></summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>"終活</b>
<b>"</b>&nbsp;<b>も段取りが大事</b></font></div><div><br /></div><div>「私の名前は砂田知昭、享年69 歳になります」。</div><div>少々たどたどしい女性のナレーションではじまる本作は、主人公・砂田さんの末娘が撮影、編集、監督し、ナレーションもこなしたドキュメンタリー。</div><div>膨大なホームビデオがテンポよく編集され、段取り好きで、ときにユーモラスな砂田さんの「最期の半年」が、プライベートフィルムにとどまらない鑑賞作品となっていることに驚いた。</div><div><br /></div><div>高度経済成長期に営業畑一筋、熱血会社員として生きてきた砂田さん。</div><div>都心のマンションに居を構え、定年後も役員を勤めて67 歳で退職。1男2女は成人し、「一生懸命働いてきて良かった」と言うことができる"団塊の世代"の勝ち組だ。</div><div>しかし、第二の人生は末期がんの発見でつまづく。</div><div>すでに手術できない状態と分かったが、自己肯定力を失わない砂田さんは「人生最後の一大プロジェクト」を実現すべく、エンディングノートを作成し、実行に移す。</div><div><br /></div><div>まず、「気合を入れて孫と遊ぶ」。</div><div>長男夫婦はアメリカ在住で、可愛い孫娘が二人。</div><div>末期がんと知った直後に3 人目が誕生。</div><div>クリスマスにはアメリカに行くことを目標に治療に取り組む。</div><div>2 番目は、政権交代の季節に「自民党以外に投票してみる」。</div><div>いかにも日本のサラリーマンだ。</div><div>そして、葬式のシミュレーション。</div><div>無宗教の砂田さんはカトリック教会に神父を訪ね、洗礼を依頼する。</div><div>教会を選んだ理由は「会場が好印象」、そして「コストがリーズナブル」と推測。</div><div>プロジェクト開始から5カ月目には名古屋で一人暮らしの母（ 94 歳）も誘って家族旅行...。</div><div><br /></div><div>病状は悪くなっていくが、主治医が驚くほど元気。</div><div>しかし、妻も子どもたちも綱渡り状態であることを知っている。</div><div>可能な限り普通の暮らしを選んだ砂田さんだが、「今まで不幸せと思ってないから、入院す</div><div>る」と宣言。</div><div>娘のカメラは入院1日目、2日目と看取りの日々をとらえ続ける。</div><div><br /></div><div>「段取りをしてもしすぎることはない」と入念な"終活"に意欲を燃やす姿に、現代日本の幸せの一典型を見出すとともに、1968年の結婚式（ 8ミリ映像）にはじまる膨大な「家族の映像記録」に感じ入る作品でもある。</div><div>（砂田麻美監督／2011年／日本／90分）</div> ]]>
        
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    <title>CF041　『デンデラ』</title>
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    <published>2012-05-06T03:57:36Z</published>
    <updated>2012-05-06T05:00:05Z</updated>

    <summary>ポスト楢山本作は、スプラッターが苦手な人や物語性を重視する人にはお勧めできない。なのに、なぜ紹介するかといえば、姥捨て山に置き去りにされた老女はどうなったのか...という着想に興味を持ったから。もちろん、浅丘ルリ子や草笛光子など日本映画史を彩るベテラン女優たちが、雪山でぼろな装束の老女役に挑んだことにも関心があった。佐藤友哉の原作（2009年）の源泉は、「昔は老人が60になると、デンデラ野に捨てら...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>ポスト楢山</b></font></div><div><br /></div><div>本作は、スプラッターが苦手な人や物語性を重視する人にはお勧めできない。</div><div>なのに、なぜ紹介するかといえば、姥捨て山に置き去りにされた老女はどうなったのか...という着想に興味を持ったから。</div><div>もちろん、浅丘ルリ子や草笛光子など日本映画史を彩るベテラン女優たちが、雪山でぼろな装束の老女役に挑んだことにも関心があった。</div><div><br /></div><div>佐藤友哉の原作（2009年）の源泉は、「昔は老人が60になると、デンデラ野に捨てられたものだと謂う」という棄老伝説（柳田国男著『遠野物語拾遺』）。</div><div>同じテーマで有名なのは、小説『楢山節考』（深沢七郎著、1956年発表）だ。</div><div>70歳になったら「楢山まいり」（姥捨て）をする村で、みずから山に行くことを願い、孝行息子に背負われて入山した"おりん"の話。</div><div>彼女は老いてなお一人前に食べることができる健康な歯を恥じて、前歯を火打石で叩く。</div><div>21世紀の歯医者さんが気絶しそうなエピソードだが、木下恵介の同名映画（1958年）では田中絹代が、今村昌平の映画（1983年）では坂本スミ子が、自身の歯を抜いて"おりん"役を熱演した。</div><div><br /></div><div>本作は、"おりん"と同じく「楢山まいり」を素直に受け入れた齊藤カユ（浅丘ルリ子）が息子に背負われ、山に入るところから始まる。</div><div>雪が降りしきり、カユは極楽浄土を一心に願うが、30年前に捨てられた三ツ矢メイ（草笛光子）が開拓した老女たちのコミューン「デンデラ」に救われてしまう。</div><div>メイは自分を捨てた村を、男たちを憎悪し、復讐をもくろんでいるが、カユは生き延びたことにとまどい怒る。</div><div>しかし、村に出撃する前に「デンデラ」に人喰い熊が現れ、老女たちは無残に死んでいく。</div><div>リーダーだったメイも雪崩で死に、傍観していたカユが決意したのは...。</div><div><br /></div><div>映画の老女たちの平均年齢は80.56歳だそう。介護保険の利用者の７割は女性で、平均年齢82.5歳と現実のほうが長寿だが、今昔問わず女性のほうが長生きするようだ。</div><div>もっとも「楢山」に関しては、山に入って越冬できた者が帰村できたケース、高齢者集団で山に移住し農繁期だけ里に下りて働くといったケースを報告する本もある。</div><div>とはいえ、封切り館では終映後、出演女優たちのオールドファンとおぼしき初老男性数人の呆然とした表情が興味深かった。</div><div>（天願大介監督／2010年／日本／96分）</div> ]]>
        
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    <title>CF040　『再会の食卓』　Apart Together（団圓）</title>
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    <published>2012-05-06T03:56:26Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:59:45Z</updated>

    <summary>「飯を食うことが大切だ」食事が重要な映画といえば、高級台湾料理が並ぶ『恋人たちの食卓』（アン・リー監督、1995年）やフレンチのフルコース『バベットの晩餐会』（ガブリエル・アクセル監督、1987年）、フィンランドで洋食の『かもめ食堂』（荻上直子監督、2006年）などを思い出すが、作り手はみなプロの調理人。本作もまた、食事のシーンが繰り返し登場するが、メイン・ディッシュは中国と台湾に分断された初老の...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>「飯を食うことが大切だ」</b></font></div><div><br /></div><div>食事が重要な映画といえば、高級台湾料理が並ぶ『恋人たちの食卓』（アン・リー監督、1995年）やフレンチのフルコース『バベットの晩餐会』（ガブリエル・アクセル監督、1987年）、フィンランドで洋食の『かもめ食堂』（荻上直子監督、2006年）などを思い出すが、作り手はみなプロの調理人。</div><div>本作もまた、食事のシーンが繰り返し登場するが、メイン・ディッシュは中国と台湾に分断された初老の男ふたりの手作り料理だ。</div><div><br /></div><div>急速な都市化が進む上海で、ユィアー（リサ・ルー）は夫・ルー（シュー・ツァイゲン）と穏やかな晩年を迎えていた。</div><div>ある日、1949年以来消息不明だった元夫・イェンシェン（リン・フォン）から、「台湾老兵帰郷団」として上海に行くという手紙が届いた。</div><div>蒋介石率いる国民党の兵士だったイェンシェンは台湾に撤退させられ、ユィアーと生き分かれになった。</div><div>子どもを抱えたユィアーは人民解放軍の兵士だったルーと再婚し、文化大革命の嵐に耐えた。</div><div><br /></div><div>ルーは「戻って来られて良かった」と歓迎する。</div><div>だが、イェンシェンはユィアーを台湾に連れていきたい。</div><div>ユィアーもまた、「余生は愛のために生きたい」と願う。</div><div>温厚なルーは「待つ時間が長くても、短くても、飯を食うことが大切だ」と上海ガニを奮発し、２人の願いを受け入れる。</div><div>だが、当人たちは合意したものの、子どもたちは納得できない。</div><div>口論にうんざりしたルーは「お前たちは世間体が気になるんだ」と怒り、ユィアーとの離婚を宣言。</div><div>翌日、正装したルーとユィアーは離婚手続きのため役所に行く。</div><div>だが、内戦後の混乱期に式を挙げたふたりに結婚証明書はなく、「事実婚だから、離婚する必要はない」と言われてしまった...。</div><div><br /></div><div>ルーは国民党兵士の家族との結婚で出世の道を閉ざされた。</div><div>イェンシェンは台湾で望郷の思いを抱き続けた。</div><div>誠実でやさしいふたりの男に挟まれたユィアーの気持ちは揺れる。</div><div>最後の決断をする夜、体調を崩したルーのためにイェンシェンは市場を巡り、台湾料理「スープの王様」を作った。</div><div>喜んだルーは秘蔵の酒を出し、３人はなつかしい歌をうたった。</div><div><br /></div><div>中国と台湾に人びとが分断された悲劇、急成長する大都市・上海、進行する高齢化を遠景に、つつましい暮らしのなかで成熟した精神を持つ男女の姿を、ユーモアを交えて描いた作品。</div><div>（ワン・チュエンアン監督／2010年／中国／96分）</div> ]]>
        
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    <title>CF039　『木洩れ日の家で』　Pora umiera</title>
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    <published>2012-05-06T03:55:39Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:59:24Z</updated>

    <summary>失意と決断舞台はワルシャワ郊外、深い樹林に囲まれた古い木造邸宅。豊かで華やかだった時代をしのばせる屋敷に暮らすのは、91歳のアニュエラ（ダヌタ・シャフラルスカ）と愛犬・フィラデルフィア。アニュエラはこの屋敷で生まれ、恋をし、家族を持った。夫はすでにこの世を去り、政府から強制されていた間借人（共産主義時代のポーランドではよくあったケースとのこと）もようやく出ていった。「今なら静かに死ねそう」と感じた...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>失意と決断</b></font></div><div><br /></div><div>舞台はワルシャワ郊外、深い樹林に囲まれた古い木造邸宅。</div><div>豊かで華やかだった時代をしのばせる屋敷に暮らすのは、91歳のアニュエラ（ダヌタ・シャフラルスカ）と愛犬・フィラデルフィア。</div><div><br /></div><div>アニュエラはこの屋敷で生まれ、恋をし、家族を持った。</div><div>夫はすでにこの世を去り、政府から強制されていた間借人（共産主義時代のポーランドではよくあったケースとのこと）もようやく出ていった。</div><div>「今なら静かに死ねそう」と感じたアニュエラは、美しい思い出にあふれた屋敷をひとり息子・ヴィトシュ（クシシュトフ・グロビシュ）に託したい。</div><div>だが、街中に住み、年に2回しか訪ねてこない息子の返事はいつも曖昧で、８歳の孫娘は「もらうなら指輪のほうがいい」と憎まれ口をたたく。</div><div><br /></div><div>広い屋敷に暮らすアニュエラの日課は、愛犬とともにサンルームから双眼鏡で両隣の家を偵察すること。</div><div>片方は週末だけやってくる成金の愛人宅で、気に入らない。</div><div>もう一方は若い夫婦で、子どもたちのための音楽クラブを開いている。</div><div>運営は苦しそうだが、子どもたちの姿や奏でられる音楽は、愛らしかった少年時代の息子を、青春時代に胸をときめかせてワルツを踊った夫を思い出させる。</div><div><br /></div><div>ある日、アニュエラは家を売らないかと言ってきた成金の代理人を追い返した。</div><div>しかし、その後、成金の家を息子夫婦が訪ねる姿を目撃。</div><div>盗み聞きすると、息子は勝手に家を売り払おうとしており、それをとがめているのは彼女が嫌っている息子の妻・マジェンカのほうだった。</div><div>失意のなか、アニュエラは屋敷中のカーテンを閉め、正装してベッドに横たわった。</div><div>だが、「死ぬなんて冗談じゃないわ！」と飛び起きる。</div><div>そして、音楽クラブの若夫婦を訪ね、ある提案を持ちかけた...。</div><div><br /></div><div>主人公を演じたダヌタ・シャフラルスカはポーランドを代表する名女優で、撮影時は主人公と同じ91歳。</div><div>95歳になってなお、舞台に立っているそうだ。</div><div>本作は気品に満ちた彼女のひとり芝居に近いが、犬のフィラデルフィアの名演技（！）とあわせ、全編モノクロ映像のなかにその存在感がきらめいている。</div><div><br /></div><div>日本でも高齢者の持ち家率は83.4%にのぼり、生涯住み続けたいという願いとともに、亡くなったあとの行方は大きな課題だ。映画の原題は『死んだほうがまし』だそうだが、死期を感じたアニュエラの決断は、「大切なものを誰に残すのか」を問いかける。</div><div>（ドロタ・ケンジェジャフスカ監督／2007年／ポーランド／104分）</div> ]]>
        
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    <title>CF038　『ルイーサ』　Luisa</title>
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    <published>2012-05-06T03:52:56Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:59:00Z</updated>

    <summary>貧しさと温もり老若問わずシングル女性には、「結婚したくない女」と「結婚できない女」、「結婚したけどひとりになった女」の３種類あるが、アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスのアパートで、猫のティトと暮らすルイーサ（レオノール・マンソ）は３番目のタイプだ。毎日、暗いうちに起き、地味なスーツにきっちり身を包み、背筋をピンと伸ばしてバスに乗る。職場の「安らぎ霊園」に７時30分に到着し、退屈な受付業務をこなし...</summary>
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        <![CDATA[<div><div><font style="font-size: 1.25em; "><b>貧しさと温もり</b></font></div><div><br /></div><div>老若問わずシングル女性には、「結婚したくない女」と「結婚できない女」、「結婚したけどひとりになった女」の３種類あるが、アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスのアパートで、猫のティトと暮らすルイーサ（レオノール・マンソ）は３番目のタイプだ。</div><div>毎日、暗いうちに起き、地味なスーツにきっちり身を包み、背筋をピンと伸ばしてバスに乗る。</div><div>職場の「安らぎ霊園」に７時30分に到着し、退屈な受付業務をこなして午後３時30分に退社。</div><div>その後は名女優（エセル・ロッホ）の高級マンションで留守番のアルバイト。</div><div>昼食と夕食にはサンドイッチを持参し、家ではティトに語りかけるのが唯一の慰めという質素な暮らし。</div><div><br /></div><div>ところがある朝、愛猫が死んでしまった。</div><div>呆然として出勤すると、待ち構えていた若社長が"経営の近代化"のため解雇すると宣告。</div><div>名女優には田舎に引っ越すと告げられ、留守番のアルバイトも突然、終わった。</div><div>たった１日で生活の支えをすべて失ったルイーサ。</div><div>30年勤続で、定年まであと１年。</div><div>未払い給与と退職金の請求は、怒りとプライドが邪魔をする。</div><div>ティトのために犬猫葬儀社に電話したが、火葬代はとても払えない。</div><div>銀行口座の残高は微々たるもの。</div><div><br /></div><div>追いつめられたルイーサは地下鉄をさまよい、封印してきた亡き夫と娘の思い出に苦しむ。</div><div>だが、火葬代を稼がなければならない。</div><div>なんとルイーサは、地下鉄の通路で物乞いをするオラシオ（ジャン・ピエール・レゲラス）を見習うことにした（！）。</div><div>松葉づえのオラシオは激怒するが、ルイーサに「他の仕事をしろ」とアドバイス。</div><div>しかし、ルイーサはカツラとサングラスを用意し、盲目の振りをするから一緒に稼ごうと必死で持ちかける...。</div><div><br /></div><div>ひとり暮らしで心に鎧を着けてきたルイーサ。</div><div>だが、アパートの管理人・ホセはいつも彼女を心配し、滞納電気代もこっそり立て替えていた。</div><div>オラシオとホセに励まされ、ルイーサはようやくティトを葬り、自分の人生の悲しみにも泣くことができた。</div><div><br /></div><div>お堅いルイーサが一気に物乞いに跳ぶストーリーはコミカルだが、「南米のパリ」と呼ばれる大都市の片隅にある温もりが心をなごませる。</div><div>片足を失ったオラシオの「みんなワシのようになりたくない。みんなワシを憎む。だから、ワシもみんなを憎む」という"無心する論理"にも考えさせられる作品。</div><div>（ゴンサロ・カルサーダ監督／2008年／アルゼンチン、スペイン／110分）</div></div> ]]>
        
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    <title>CF037　『道』　La Strada</title>
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    <published>2012-05-06T03:51:58Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:58:39Z</updated>

    <summary>気づくのはいつも遅すぎる胸の筋肉だけで鎖を切ってみせる旅芸人、&quot;鉄の肺の男&quot;ザンパノ（アンソニー・クイン）は、妻兼助手だったローザが死んでしまったため、その妹でちょっと知的障害のあるジェルソミーナ（ジュリエッタ・マシーナ）を買い取った。荷車付きバイクでの巡業の日々、ジェルソミーナは暴力的なザンパノから芸を仕込まれる。嫌で逃げ出しても、ザンパノが追いつく。ふたりはサーカス団に合流したが、ザンパノは綱...</summary>
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        <![CDATA[<div><b><font style="font-size: 1.25em; ">気づくのはいつも遅すぎる</font></b></div><div><br /></div><div>胸の筋肉だけで鎖を切ってみせる旅芸人、"鉄の肺の男"ザンパノ（アンソニー・クイン）は、妻兼助手だったローザが死んでしまったため、その妹でちょっと知的障害のあるジェルソミーナ（ジュリエッタ・マシーナ）を買い取った。</div><div>荷車付きバイクでの巡業の日々、ジェルソミーナは暴力的なザンパノから芸を仕込まれる。</div><div>嫌で逃げ出しても、ザンパノが追いつく。</div><div>ふたりはサーカス団に合流したが、ザンパノは綱渡り芸人（リチャード・ベイスハート）にからかわれて逆上。</div><div>ナイフを振り回して追いかけ、綱渡り芸人もろとも逮捕されてしまう。</div><div>サーカス団は立ち去ることになり、ジェルソミーナに一緒に行こうと言う。</div><div>ザンパノより１日早く釈放された綱渡り芸人も「嫌なら逃げたらいい」と誘うが、ジェルソミーナは「私は何の役にも立たない」と動かない。</div><div>綱渡り芸人は「君はザンパノが好きなんだ」とあきらめ、「道端の石だって何かの役に立っているんだ。神様が知っている」と励まして立ち去る。</div><div><br /></div><div>釈放されたザンパノとジェルソミーナの旅が再開された（雨宿りした女子修道院でもジェルソミーナは留まるかと誘われる）。</div><div>ある日、綱渡り芸人をみつけたザンパノは彼を殴り殺してしまった。衝撃を受けたジェルソミーナは連日泣き続け、持て余したザンパノは「あんたひとりになったらお手上げよ」とつぶやく彼女を雪の積もる山道に置き去りにした。</div><div>数年後、ザンパノは港町で、ジェルソミーナがよくラッパで吹いていたメロディを耳にする。</div><div>ジェルソミーナは浜辺をさまよっているところを助けられたが、死んでしまったという。</div><div>ここで初めて、ザンパノは見捨てた女への愛を自覚し、深い孤独感に打ちのめされた...。</div><div><br /></div><div>写実的な描写と抒情性で高い評価を得たこの作品は何度もリバイバル上映されていて、学生時代に観た時は「なんでこんな男についていくんだ？」と思ったものだ。</div><div>ザンパノ役のアンソニー・クイン（1915～2001）、ジェルソミーナ役のジュリエッタ・マシーナ（1943 ～1993、フェリーニ監督夫人）ともに名演で、ニーノ・ロータのテーマ音楽は今なおスタンダード・ナンバーだ。</div><div><br /></div><div>なお、知的障害の人に注目した映画では、見えない電車を運転する六ちゃん（頭師佳孝）を描く『どですかでん』（黒澤明監督、1970年）、『ピンクパンサー』シリーズで知られるピーター・セラーズ主演『チャンス』（ハル・アシュビー監督、1979年）もお勧め。</div><div>（フェデリコ・フェリーニ監督／1954年／イタリア／104分）</div> ]]>
        
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    <title>CF036　『英国王のスピーチ』　The King&apos;s Speech</title>
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    <published>2012-05-06T03:49:48Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:58:18Z</updated>

    <summary>演説と障害言葉をめぐる映画で一番古い記憶は、&quot;三重苦&quot;（視覚・聴覚・言語障害）を克服したヘレン・ケラー（1880～1968年）の少女期を描いた『奇跡の人』（アーサー・ペン監督、1962年）。ヘレン（パティ・ペイジ）の家庭教師・サリヴァン先生（アン・バンクロフト）が発声訓練をするシーンが、子ども心にめちゃくちゃ怖かった。本作の主人公・ジョージ６世（現・エリザベス２世の父）は、ヘレン・ケラーに比べれば...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>演説と障害</b></font></div><div><br /></div><div>言葉をめぐる映画で一番古い記憶は、"三重苦"（視覚・聴覚・言語障害）を克服したヘレン・ケラー（1880～1968年）の少女期を描いた『奇跡の人』（アーサー・ペン監督、1962年）。</div><div>ヘレン（パティ・ペイジ）の家庭教師・サリヴァン先生（アン・バンクロフト）が発声訓練をするシーンが、子ども心にめちゃくちゃ怖かった。</div><div>本作の主人公・ジョージ６世（現・エリザベス２世の父）は、ヘレン・ケラーに比べれば吃音症、つまり言葉が滑らかに出ないという軽い障害（ただし、話すことに常に緊張を強いられるので、対人恐怖症や引きこもりなど二次障害がある）だ。</div><div>しかし、王族の仕事は挨拶や演説を求められるという特殊な"障害"も強いた。</div><div><br /></div><div>映画は王冠を戴く前、ヨーク公アルバート王子時代からはじまる。</div><div>吃音を克服するため、王子（コリン・ファース）は妻・エリザベス（ヘレナ・ボナム・カーター）の手引きで、言語聴覚士のライオネル・ローグ（ジェフリー・ラッシュ）にひそかに指導を受ける。</div><div>オーストラリア人のローグは王子に友人として接することを求め、発声のトレーニングのほか、幼い頃からの心理的な抑圧を取り除くことに心を砕く。</div><div><br /></div><div>少しずつ演説慣れしていった王子だが、王位を継いだ兄・エドワード８世（ガイ・ピアース）がウォリス・シンプソン夫人と"王冠をかけた恋"を成就するためあっさり退位。</div><div>1936年、不本意ながらジョージ６世として戴冠する。</div><div>３年後、イギリスはポーランドに侵攻したナチスドイツに宣戦布告した。</div><div>その日、国王は第二次世界大戦に向けて全国民を鼓舞するため、ラジオ生放送で演説しなければならなかった...。</div><div>「英国史上もっとも内気な王」というキャッチ・コピーだが、ジョージ６世夫妻はドイツ空軍のロンドン爆撃時もバッキンガム宮殿に留まり、国民を励まし続けたという。</div><div>ローグもそれまで主流だったショック治療を退け、心理療法を導入した言語聴覚士の草分けと教えられた。</div><div><br /></div><div>ちなみに敵国・ドイツでは大戦末期、独裁者ヒトラーとユダヤ人ボイストレーナーの交流を描いた『わが教え子、ヒトラー』（ダニー・レヴィ監督、2007年）がある。</div><div>邦画では、『日本の一番長い日』（岡本喜八監督、1967年）が、昭和天皇のスピーチ（ポツダム宣言受諾の玉音放送）を阻止しようとした軍部の暴走を描いている。</div><div>（トム・フーパー監督／2010年／イギリス・オーストラリア／118分）</div> ]]>
        
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    <title>CF035　『クレアモントホテル』　MRS PALFREY at The Claremont</title>
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    <published>2012-05-06T03:48:35Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:57:56Z</updated>

    <summary>「残りの人生」の心意気サラ・パルフリー夫人（ジョーン・プロウライト）は、最愛の夫に先立たれ、娘との同居にも嫌気がさし、新聞広告でみつけたロンドンの長期滞在型ホテルにやって来た。ホテルは期待はずれの安普請。気を取り直し、ドレスアップして食堂に行くと、古参のアーバスノット夫人（アンナ・マッセイ）に「ここではみんな普段着なの」と言われてしまう。シングルルームの長期逗留者は、年金暮らしの高齢者ばかり。オズ...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>「残りの人生」の心意気</b></font></div><div><br /></div><div>サラ・パルフリー夫人（ジョーン・プロウライト）は、最愛の夫に先立たれ、娘との同居にも嫌気がさし、新聞広告でみつけたロンドンの長期滞在型ホテルにやって来た。</div><div>ホテルは期待はずれの安普請。気を取り直し、ドレスアップして食堂に行くと、古参のアーバスノット夫人（アンナ・マッセイ）に「ここではみんな普段着なの」と言われてしまう。</div><div>シングルルームの長期逗留者は、年金暮らしの高齢者ばかり。</div><div>オズボーン氏（ロバート・ラング）以外は女性で、みんなの関心事は、かかってくる電話と訪問者。</div><div>ロンドンに孫のデズモンドがいるサラだが、電話をしても、手紙を書いても彼は会いに来てくれない。</div><div><br /></div><div>ある日、足の悪いアーバスノット夫人のために図書館で本を借りたサラは路上で転び、ルードヴィック・メイヤー（ルパート・フレンド）に介抱される。</div><div>彼は小説家志望で、孫と同じ26歳だった。</div><div>サラは、助けてもらったお礼にルードヴィックをホテルの夕食に招待。</div><div>ところが、ホテルの住人たちはついに孫がやってくると勘違い。</div><div>困った彼女はルードヴィックに孫のふりをしてもらうことにした。</div><div>にこやかに現れたハンサムな青年はみんなの羨望の的で、サラも久しぶりに高揚感に包まれる。</div><div>その後、ふたりは時折、デートをしては文学や人生を語り合い、親愛の情を深めていくが突然、ホテルに本物の孫が現れた！</div><div><br /></div><div>原作はイギリスの作家、エリザベス・テイラー（今年３月に亡くなったハリウッド大女優とは別人）の『クレアモントホテル』（集英社文庫）で、ルードヴィックが小説の素材としてサラに向けるまなざしは数段クールだ。</div><div>映画では、オズボーン氏にプロポーズされたサラが、「これまでの人生、私はずっと誰かの娘で、誰かの妻で、誰かの母親だった。だから残りの人生は"私"として生きたいの」と毅然と断る心意気が胸に響く。</div><div>だが、クレアモントホテルの住人は入院したらホテルには戻れない。</div><div>食堂で倒れたアーバスノット夫人は介護施設で亡くなり、ホテルの正面階段から落ちたサラもまた、病院からホテルに戻ることはなかった...。</div><div><br /></div><div>サラ役のジョーン・プロウライト（1929年生まれ）は、誇り高くチャーミングな「英国夫人」を好演。</div><div>深い孤独のなかで、「ワインも古いほうが上等」と歌うホテルの住人たちの暮らしぶりも魅力的な作品。</div><div>（ダン・アイアランド監督／2005年／イギリス・アメリカ／108分）</div> ]]>
        
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    <title>CF034　『コクーン』　COCOON</title>
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    <published>2012-05-06T03:47:46Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:57:35Z</updated>

    <summary>不老不死になると...フロリダの海辺にある高級老人ホームに暮らすアート（ドン・アメチー）、ベン（ウィルフォード・ブリムリー）、ジョー（ヒューム・クローニン）の３人は、隣接する無人の屋敷に侵入し、プールでくつろぐのが日課。ある日、プールに巨大なコクーン（まゆ）がいくつも沈められていた。かまわず泳いだ３人は、元気が出てきた！ジョーはアルマ（ジェシカ・タンディ）と、アートはメリー（モーリン・スティプルト...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>不老不死になると...</b></font></div><div><br /></div><div>フロリダの海辺にある高級老人ホームに暮らすアート（ドン・アメチー）、ベン（ウィルフォード・ブリムリー）、ジョー（ヒューム・クローニン）の３人は、隣接する無人の屋敷に侵入し、プールでくつろぐのが日課。</div><div>ある日、プールに巨大なコクーン（まゆ）がいくつも沈められていた。かまわず泳いだ３人は、元気が出てきた！</div><div>ジョーはアルマ（ジェシカ・タンディ）と、アートはメリー（モーリン・スティプルトン）と久し振りに夫婦の営みを果たし、独り者のベンは入居者のベス（グエン・ヴァードン）に愛を告白。彼女たちもプールに誘い、ディスコにボーリングと青春の再来を謳歌する。だが、ホーム仲間のバーニー（ジャック・ギルフォード）は認知症の妻・アルマの世話をしながら、「人間は与えられた寿命がある」と猛反発。</div><div><br /></div><div>実はコクーンは、100世紀前（！）にアトランティス大陸に調査にやってきたアンタリア星人が、大陸沈没で緊急避難したカプセルだった。１万年ぶりにやって来た救出チームが、海底から引き揚げ、生命力を満たしたプールに一時保護していたのだ。</div><div>アートたちのはしゃぎぶりを眺めていたアンタリア星人のリーダー、ウォルター（ブライアン・デネヒー）は、「不老を求めるなら、一緒に来なさい」と誘う...。</div><div><br /></div><div>もはや四半世紀前の公開時、往年の高齢ハリウッドスターが多数出演するＳＦ作品に、「高齢になっても、死にたくないんだな」とぼんやり思った記憶がある。</div><div>再見したついでに、続編『コクーン２　遥かなる地球』（1988年）も観た。</div><div>こちらはカナダ人監督・ダニエル・ペトリーが手がけ、病気や貧困、戦争のないアンタリア星から５年ぶりに一時帰還した６人が、地球人として生きるなら、死もまた受け容れるべきではないかと悩むのがテーマ。</div><div>メリーはアートに「お互いを失うのは怖いけれど、親が子どもより生きるのはおかしい」と訴え、ジョーは出発前に患っていた白血病が再発。</div><div>６人がどんな決断をしたかは、観てのお楽しみ。</div><div><br /></div><div>宇宙船にイルカ、すでにこの世を去ったベテラン俳優たちのコミカルな演技が楽しめる作品だが、公開時、日本の高齢化率は10.3％だった。</div><div>今や23.1%（2010年）なのだから、観る側の意識も相当変わったということか...とあれこれ考えてしまった。</div><div>（ロン・ハワード監督／1984年／アメリカ／117分）</div> ]]>
        
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    <title>CF033　『レインマン』　Rain Man</title>
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    <published>2012-05-06T03:45:50Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:06:43Z</updated>

    <summary>「理解」と「ともに」のあいだロス・アンゼルスで高級中古車ディーラーとして飛びまわるチャーリー・バビット（トム・クルーズ）は、厳格な父親に反発して家を飛び出した26歳。要領よく世渡りをしてきたが、父親の急逝を知り、恋人のスザンナ（ヴァレリア・ゴリノ）とアイオワ州シンシナティに向かった。絶縁状態だった父親の葬儀に涙はなかったが、弁護士から相続できるのは中古のブランド車・ビュイックのみで、300万ドルを...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>「理解」と「ともに」のあいだ</b></font></div><div><br /></div><div>ロス・アンゼルスで高級中古車ディーラーとして飛びまわるチャーリー・バビット（トム・クルーズ）は、厳格な父親に反発して家を飛び出した26歳。</div><div>要領よく世渡りをしてきたが、父親の急逝を知り、恋人のスザンナ（ヴァレリア・ゴリノ）とアイオワ州シンシナティに向かった。</div><div><br /></div><div>絶縁状態だった父親の葬儀に涙はなかったが、弁護士から相続できるのは中古のブランド車・ビュイックのみで、300万ドルを超える遺産は管財人に渡ると告げられ愕然とする。</div><div>納得できないチャーリーは、管財人のブルーナー医師（ジェリー・モレン）を障害者施設に訪ね、自閉症の兄・レイモンド（ダスティン・ホフマン）の存在を初めて知る。</div><div><br /></div><div>施設に無断でレイモンドを連れ出したチャーリーは、兄の後見人になって遺産をもらおうと画策。</div><div>あきれたスザンナに去られ、兄弟ふたりでビュイックに乗って、ロス・アンゼルスを目指す。しかし、飛行機は墜落事故を起こすからイヤ、高速道路も死亡事故が多いからイヤ、雨の日は外出しない、というレイモンドの抵抗に会い、モーテルに泊まりながら一般道を行くはめに...。</div><div><br /></div><div>自閉症の人には社会性やコミュニケーションに困難があり、知的障害や言語障害を伴わない高機能自閉症（アスペルガー症候群）や驚異的な記憶力を持つサヴァン症候群の人もいる。</div><div>兄の言動にふりまわされるチャーリーは、立ち寄った町で医師にレイモンドを診察してもらい、計算能力、記憶力の高さに驚く。</div><div>そして、レイモンドの障害や生活スタイルへの理解が深まるとともに、心から一緒に暮らしたいと思うようになる。</div><div>レイモンドの記憶力に着目してラスベガスで大儲けし、スザンナも戻ってきた。万事うまくいきそうに思えたが...。</div><div><br /></div><div>映画公開当時、日本では自閉症はあまり知られていなかった。</div><div>レイモンド像は自閉症の多様な特徴を詰め込んではいるが、ダスティン・ホフマンの絶妙な演技とともに、広く自閉症という障害を知らせる作品となった。</div><div><br /></div><div>日本に自閉症の人は推定36万人、高機能自閉症などを含めると約120万人といわれる。</div><div>東日本大震災では、自閉症のわが子がパニックを起こすため、避難所で迷惑をかけないよう苦慮する家族の姿が、いち早く報道された。</div><div>一緒に暮らすことができなかったチャーリーとレイモンドに重ねて、考えていきたい。</div><div>（バリー・レヴィンソン監督／1988年／アメリカ／134分）</div> ]]>
        
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    <title>CF032　『終着駅　トルストイ最後の旅』　The Last Station</title>
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    <published>2012-05-06T03:44:19Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:06:05Z</updated>

    <summary>夫婦の愛憎は枯れない世界中で読まれるトルストイ作品は、「主な登場人物」の名前の長さと愛称に混乱して、挫折を繰り返した。作家本人もレフ・ニコラーエヴィチ・トルストイが本名で、愛称はリョーヴォチカ。トルストイ夫人はソフィア・アンドレーエヴナで、愛称はソーニャ。だから、もっぱら映画が頼り。『戦争と平和』（オードリー・ヘプバーン主演アメリカ版とリュドミラ・サヴェーリエワ主演ロシア版）も『アンナ・カレーニナ...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>夫婦の愛憎は枯れない</b></font></div><div><br /></div><div>世界中で読まれるトルストイ作品は、「主な登場人物」の名前の長さと愛称に混乱して、挫折を繰り返した。</div><div>作家本人もレフ・ニコラーエヴィチ・トルストイが本名で、愛称はリョーヴォチカ。トルストイ夫人はソフィア・アンドレーエヴナで、愛称はソーニャ。</div><div>だから、もっぱら映画が頼り。『戦争と平和』（オードリー・ヘプバーン主演アメリカ版とリュドミラ・サヴェーリエワ主演ロシア版）も『アンナ・カレーニナ』（タチアナ・サモイロワ主演ロシア版とソフィー・マルソー主演アメリカ版）もスクリーンで教えてもらった。</div><div><br /></div><div>本作は、晩年のトルストイ夫妻のパワフルな愛と葛藤を描く。</div><div>82歳のトルストイ（クリストファー・ブラマー）は、友人・チェルトコフ（ポール・ジアマッティ）に説得され、民衆のために莫大な資産である著作権を放棄する遺言書にサインしようとする。</div><div>半世紀近くを共にした妻（ヘレン・ミレン）は、孫を含む25人の一族を守るために大反対。</div><div><br /></div><div>トルストイは裕福な伯爵家に生まれ、放蕩三昧の青年時代を経て34歳で結婚した。</div><div>18歳だったソフィアは13人の子どもを育てながら、夫の作品構想のパートナーとなり、悪筆の原稿を清書し続けた。</div><div>しかし、今や名声が高まった夫は信奉者や新聞記者に囲まれ、穏やかな語らいはない。</div><div>おまけに妻に内緒で、財産を放棄しようとしている。</div><div>秘書を務める娘も信用できない...。</div><div>嫉妬と猜疑心にまかせて夫を非難するソフィア。</div><div>「私があなたを作り、あなたが私を作ったのよ！」と叫ぶ自負心は、いさかいの日々にうんざりした夫を家出に追い立てた...。</div><div><br /></div><div>トルストイは放浪の末、1910年に小さな駅舎で息を引き取った。</div><div>このため、実際には「良妻賢母」のソフィアは、ソクラテスやモーツァルトの妻と並び"世界三大悪妻"のひとりと呼ばれた。</div><div>遺産分割もない時代の妻の危機感は理解されず、チェルトコフらに看取りを阻まれたことも知られていなかった。</div><div><br /></div><div>『クイーン』（スティーヴン・フリアーズ監督、2006年）で現役英国女王を演じたヘレン・ミレン（1945年生まれ）は、過剰な愛憎に満ちたソフィアを熱演。</div><div>トルストイ役のクリストファー・ブラマー（1929年生まれ）は『サウンド・オブ・ミュージック』（ロバート・ワイズ監督、1965年）のトラップ大佐で、なつかしい。</div><div>トルストイの生地、ヤースナヤ・ポリャーナの美しい自然を背景に、"愛の高齢化"をみつめる作品。</div><div>（マイケル・ホフマン監督／2009年／ドイツ・ロシア／112分）</div> ]]>
        
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    <title>CF031　『春との旅』</title>
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    <published>2012-05-06T03:42:10Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:05:29Z</updated>

    <summary>「見果てぬ夢」がたどりつくのは...津田忠男（仲代達矢）は白いあごひげに長いコートをまとい、不自由な足を引きずりながらずんずん歩く。小柄な春（徳永えり）は荷物をぶらさげ、ガニ股で必死に祖父を追いかける。忠男はニシン漁で一攫千金を狙い、半世紀以上前に宮城県から北海道増毛町に入植した「やん衆」（ソーラン節に歌われる出稼ぎ漁師）。北海道のニシンは江戸時代から肥料として北前船で取り引きされた。だが、195...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>「見果てぬ夢」がたどりつくのは...</b></font></div><div><br /></div><div>津田忠男（仲代達矢）は白いあごひげに長いコートをまとい、不自由な足を引きずりながらずんずん歩く。</div><div>小柄な春（徳永えり）は荷物をぶらさげ、ガニ股で必死に祖父を追いかける。</div><div><br /></div><div>忠男はニシン漁で一攫千金を狙い、半世紀以上前に宮城県から北海道増毛町に入植した「やん衆」（ソーラン節に歌われる出稼ぎ漁師）。</div><div>北海道のニシンは江戸時代から肥料として北前船で取り引きされた。</div><div>だが、1950年代に群来（くき）は途絶えた。</div><div>それでも忠男はニシンの再来を待ち続け、他の仕事をしなかった。</div><div>家を支えた妻は先立ち、ひとり娘は海に身を投じ、残された春（19歳）とバラック小屋で暮らしていた。</div><div>春は中学校卒業後、小学校の給食員として働くが、廃校でクビになった。</div><div>東京で働けたらと思いたち、「おじいちゃんは兄弟のところに行ったらいいのに」と言ってしまう。</div><div>翌朝、忠男は乱暴に春をせかし、４人の兄姉弟を訪ねる旅に出た。</div><div><br /></div><div>汽車を乗り継ぎ、気仙沼市に住む長男・重男（大滝秀治）の豪邸を訪ねたが、高齢夫婦は息子の希望で老人ホームに入居予定。</div><div>忠男と唯一気の合う弟・行男は、服役中で会うことがかなわない。</div><div>鳴子温泉で旅館を切り盛りする姉・茂子（淡島千景）は、「ひとりで生きなさい」ときっぱり拒む。</div><div>仙台市で不動産業を営む弟・道男（柄本明）は事業に失敗していたうえ、忠男とは犬猿の仲。</div><div>「おまえなんか、だーいっ嫌いだ！」と道男にののしられ、取っ組み合いになる。</div><div><br /></div><div>結局、「全部、ダメだった」。</div><div>だが、お金の心配をしながら祖父と旅するなかで、春は「おじいちゃんと一緒のほうがいい」と思いなおす。</div><div>また、祖父と親族の本音むき出しの交流にうらやましさを感じ、自分の父親を想う...。</div><div><br /></div><div>本作公開時に喜寿（77歳）を迎えたベテラン演劇人・仲代達矢は、強面で短気なうえに大食漢、だが甘ったれで憎み切れない"昭和ヒトケタ"を自在に演じる。</div><div>『老化も進化』（講談社プラスアルファ新書、2009年）では、盟友でもあった妻に先立たれ茫然とした日々を越え、映画や舞台に取り組む意欲を「グランドフィナーレの幕が上がる」と綴る。</div><div><br /></div><div>なお、舞台となった気仙沼市、仙台市などは「東日本大震災」で大規模な被害を受けた。</div><div>失われた風景をとどめることにもなってしまった作品。</div><div>（小林政弘監督／2010年／日本／134分）</div> ]]>
        
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    <title>CF030　『トランスアメリカ』　Transamerica</title>
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    <published>2012-05-06T03:40:23Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:04:46Z</updated>

    <summary>越えなければならないもの個人的には「女らしさ」に抵抗してきたが、自分が女性であることに疑問を持ったことはない。これを「性同一性」と呼ぶのだそうだ。しかし、性同一性障害（トランスセクシャル）の人は、自分の生物学的性別に違和感があり、「心と身体の性が一致しない状態」に公私ともに苦しむという。ブリ―（フェリシティ・ハフマン）は性同一性障害の男性で、女性になる手術を目前に心はずませていた。ところが、かつて...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>越えなければならないもの</b></font></div><div><br /></div><div>個人的には「女らしさ」に抵抗してきたが、自分が女性であることに疑問を持ったことはない。これを「性同一性」と呼ぶのだそうだ。</div><div>しかし、性同一性障害（トランスセクシャル）の人は、自分の生物学的性別に違和感があり、「心と身体の性が一致しない状態」に公私ともに苦しむという。</div><div><br /></div><div>ブリ―（フェリシティ・ハフマン）は性同一性障害の男性で、女性になる手術を目前に心はずませていた。</div><div>ところが、かつての恋人との間に息子・トビー（ケヴィン・ゼガーズ）がいて、窃盗で逮捕されたのを引き取りに来るようにとの連絡が入る。</div><div>カウンセラーに「気がかりなことを解決しなければ、手術は受けさせられない」とアドバイスされ、ブリ―は自分の正体を明かさないまま、トビーをケンタッキーの義父の家に送り届けようとする。</div><div>だが、義父に虐待されてトビーが家出していたことを知り、トビーを連れたまま、北米大陸をレンタカーで横断することになってしまう。</div><div><br /></div><div>ブリ―は時折、男っぽい所作が出てしまうこともあるが、服装から身のこなし、言葉遣いまで、涙ぐましいまでに「女らしい」。</div><div>トビーは旅の途上、「親切なおばさん」が実は肉体的には男性であることを知り、ショックを受ける。</div><div>だが、知的で教養あるブリ―に少しずつ心を開いていく。</div><div>とはいえ、父親であることはまだ知らず、恋心（！）を抱くようになり...。</div><div><br /></div><div>日本には性同一性障害の人は１万人超と推計され、2003年には戸籍上の性別の変更が認められるようになった。</div><div>上川あやさん（東京都世田谷区議）もそのひとりで、『変えてゆく勇気―「性同一性障害」の私から』（岩波新書）がおすすめ。</div><div>『生徒諸君』で知られるマンガ家・庄子陽子は、『G．I．D．』（講談社）で性同一性障害をテーマにした。</div><div>また、ドキュメンタリー映画『ロバート・イーズ』（2000年、ケイト・デイビス監督）では、かつて女性だったロバート・イーズが、皮肉にも子宮がんになり、パートナーに支えられて過ごす最期の日々を描いていた。</div><div><br /></div><div>『トランスアメリカ』の"トランス"は「越えて」「横切って」という意味で、いくつもメッセージを重ねているが、観る者にも静かに"トランス"を求める作品だ。</div><div>（ダンカン・タッカー監督／2005年／アメリカ／103分）</div> ]]>
        
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    <title>CF029　『カッコーの巣の上で』 One flew over the cuckoo&apos;s nest</title>
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    <published>2012-05-06T03:38:18Z</published>
    <updated>2012-05-06T04:04:09Z</updated>

    <summary>「支援」と「支配」のあいだ精神病院が舞台の『カッコーの巣の上で』は、「管理社会の恐怖」を描いた傑作として知られ、原作となった同名小説は当時、ヒッピー・コミューンのリーダーとして知られたケン・キージーのミリオンセラー。1963年のある日、刑務所の強制労働を逃れるため、精神疾患を装ったランドル・Ｐ・マクマーフィー（ジャック・ニコルソン）がオレゴン州立精神病院に移送されて来た。医師たちは彼を観察するため...</summary>
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        <![CDATA[<div><font style="font-size: 1.25em; "><b>「支援」と「支配」のあいだ</b></font></div><div><br /></div><div>精神病院が舞台の『カッコーの巣の上で』は、「管理社会の恐怖」を描いた傑作として知られ、原作となった同名小説は当時、ヒッピー・コミューンのリーダーとして知られたケン・キージーのミリオンセラー。</div><div><br /></div><div>1963年のある日、刑務所の強制労働を逃れるため、精神疾患を装ったランドル・Ｐ・マクマーフィー（ジャック・ニコルソン）がオレゴン州立精神病院に移送されて来た。</div><div>医師たちは彼を観察するため、病棟に受け入れる。</div><div>そこでは、看護師長・ラチェッド（ルイーズ・フレッチャー）のもとで、グループ・ディスカッションによる治療が行われていた。</div><div><br /></div><div>マクマーフィーは患者たちがラチェッドを恐れ、無気力であることに気づく。</div><div>院長に優秀な治療者と認められているラチェッドは、ワールド・シリーズのテレビ中継を観ようと提案し、患者たちを海釣りに連れ出すマクマーフィーを苦々しく眺めていた。</div><div><br /></div><div>粗野で陽気なマクマーフィーは、看護士とのトラブルで電気ショック療法を受けるはめになってもくじけない。</div><div>だが、ある日、ディスカッションに参加している患者たちは自発的入院者で、いつでも退院できるが、自分は病院が許可しない限り出られないことを知る。</div><div>初めて恐怖を覚えた彼は、脱走を画策し、病棟仲間とお別れパーティーを繰り広げるが...。</div><div><br /></div><div>患者の人間性まで支配する看護師長と自由にふるまうニセ患者の攻防は、後者がロボトミー手術（脳の前頭葉を切り離す手術）で文字通り廃人にさせられる悲劇で終わる。</div><div>唯一の救いは、マクマーフィーと行動を共にするつもりだった患者仲間のチーフ（ウィル・サンプソン）が、脱走に成功したことだ。</div><div><br /></div><div>英語の「カッコーの巣」は精神病院も意味するそうだが、カッコーは他の鳥の巣に卵を産む「託卵」の習性がある。</div><div>あるはずのない棲みか、正常と異常のあいまいさ、治療という「支援」にくるまれた「支配」など提起されるテーマは35年以上たっても色褪せない。</div><div>第48回アカデミー賞主演女優賞に輝いたルイーズ・フレッチャーが授賞式で、両親が聴覚障害者であることを明かし、手話を交えてあいさつしたのも記憶に残っている。</div><div>（ミロシュ・フォアマン監督／1975年／アメリカ／133分）</div> ]]>
        
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