映画紹介
子どもや女性、障害者、高齢者などをテーマに、「福祉的こころ」を考えさせてくれる映画を紹介しています。分野がちがうのではないか、という作品もありますが、ハスカップのおすすめ作品です
愛し合ったのだ長寿のアーティストが膨大な作品群を遺すのは、画家のパプロ・ピカソが証明しているが、2012年5月29日、100歳で亡くなった新藤兼人監督が創り続けた映画、脚本、著書のリストも長大だ。「仕事をしなくて生きとったってしょうがないじゃないですか」という持論を体現し、99歳で発表した『一枚のハガキ』(2011年)は多くの映画賞を得た。すぐれた脚本家としても知られ、多くの監督にシナリオを提供し...
2013/01/06
決めるのはみなさんだ!舞台は1983年のミラノ。労働組合で働くネッロは熱血漢だが、急進的な主張を嫌われ、精神医療センターに併設された「協同組合180」のマネージャーに左遷になった。そこには精神障害をもつ10人の男女が、無気力に切手貼り(市役所の委託事業)をしていた。イタリアでは1978年、世界で初めて公立精神病院を廃止する法律「バザリア法」が公布され、病棟から解放された人たちへの社会復帰支援がはじ...
2013/01/06
退くプライドイタリアの巨匠・ヴィスコンティ監督は、10世紀までさかのぼるというミラノ貴族の出身で、華麗で難しい作品が多い。ストーリーやロケーション、音楽から衣装まで徹底的にこだわった美しい作品群はもはや古典だが、美少年にのめり込む芸術家を描いた『ベニスに死す』(1971年)、孤独な老教授と若者の交流をテーマとする『家族の肖像』(1974年)など、「老い」と「世代対立」を取り上げた作品が結構ある。『...
2012/05/06
"終活 " も段取りが大事「私の名前は砂田知昭、享年69 歳になります」。少々たどたどしい女性のナレーションではじまる本作は、主人公・砂田さんの末娘が撮影、編集、監督し、ナレーションもこなしたドキュメンタリー。膨大なホームビデオがテンポよく編集され、段取り好きで、ときにユーモラスな砂田さんの「最期の半年」が、プライベートフィルムにとどまらない鑑賞作品となっていることに驚いた。高度経済成長...
2012/05/06
ポスト楢山本作は、スプラッターが苦手な人や物語性を重視する人にはお勧めできない。なのに、なぜ紹介するかといえば、姥捨て山に置き去りにされた老女はどうなったのか...という着想に興味を持ったから。もちろん、浅丘ルリ子や草笛光子など日本映画史を彩るベテラン女優たちが、雪山でぼろな装束の老女役に挑んだことにも関心があった。佐藤友哉の原作(2009年)の源泉は、「昔は老人が60になると、デンデラ野に捨てら...
2012/05/06