2023.11.27 介護給付費分科会 第232回 「横断的なテーマ」 [論点]と[対応案]
※[委員発言傍聴メモ]はオンライン傍聴でハスカップが記録したものです。
ピックアップしたものなので、正確な発言内容は介護給付費分科会議事録でご確認ください。
ただし、12月1日現在、第221回(2023.08.07)以降の議事録は公表されていません。
【社会保障審議会介護給付費分科会】
第232回(2023.11.27)
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厚生労働省老健局
〇社会保障審議会介護給付費分科会(田辺国昭・分科会長)
資料1.認知症への対応力強化
資料2.感染症への対応力強化
資料3.業務継続に向けた取組の強化等
資料4.LIFE
資料5.口腔・栄養
資料6.その他(高齢者虐待の防止、送迎)
第233回(2023.11.30)開催
第234回(2023.12.04)午前開催予定
【認知症への対応力強化】
〇社会保障審議会介護給付費分科会(田辺国昭・分科会長)
[対応案]
論点1.認知症加算の見直し(通所介護、地域密着型通所介護)
認知症加算
論点2.認知症専門ケア加算の見直し(訪問系サービス)
認知症専門ケア加算
論点3.認知症の行動・心理症状への対応及び認知症の評価尺度の活用
認知症行動・心理症状緊急対応加算
[委員発言傍聴メモ]
鎌田松代(公益社団法人認知症の人と家族の会代表理事)尾之内直美・参考人
・認知症は軽い方でもとても大変だが、現場はホームヘルパー不足もあり、スキルアップや余裕のある対応が思うように進んでいないのが実態と考える。ホームヘルパー不足を解消していただきたい。
また、認知症で行方不明になる方も結構いて、介護職員やケアマネジャーに時間外で一緒に探していただき、本当に助かったというケースも増えている。こうした場合、介護報酬で評価していただきたい。
[関連記事]
□介護報酬改定で認知症BPSD予防に加算 LIFEは入力負担軽減(2023.12.04福祉新聞)
□認知症の症状軽減、介護報酬加算の制度創設へ 厚労省(2023.11.28日経新聞)
□BPSD予防、チームでの対応を評価へ 24年度改定で新設(2023.12.01ケアマネタイムス)
□BPSD予防、介護職チームでの対応を評価へ-24年度報酬改定(2023.11.28キャリアブレイン)
【高齢者虐待の防止】
〇社会保障審議会介護給付費分科会(田辺国昭・分科会長)
[対応案]
論点1.高齢者虐待防止の推進
基本報酬
論点2.身体的拘束等の適正化の推進
基本報酬
身体拘束廃止未実施減算
[委員発言傍聴メモ]
鎌田松代(公益社団法人認知症の人と家族の会代表理事)尾之内直美・参考人
・施設での身体拘束については研修やマニュアルなどの整備が行われているが、医療機関での適正化がまだまだ進んでない。認知症の方が入院で環境が変わり混乱すると、やむを得ず身体拘束や薬を使うことになり、悪化して退院するケースが多いことも課題と考える。
田中志子(一般社団法人日本慢性期医療協会常任理事)
・虐待防止の推進について経済虐待の実態調査、それが難しければ普及活動を提案する。
江澤和彦(公益社団法人日本医師会常任理事)
・虐待、身体拘束廃止はしっかり取り組むべきで、診療報酬改定において医療機関での身体拘束廃止について議論がなされ、私も介護分野の取り組みは参考にすべきとして、医療分野での取り組みの推進も期待している。
[関連記事]
□防止措置ない事業者、介護報酬を減額方針 高齢者を虐待・身体拘束(2023.11.28朝日新聞)
□身体拘束の原則禁止・記録、訪問介護や通所介護などにも義務化 厚労省案(2023.11.30ケアマネタイムス)
【送迎】
〇社会保障審議会介護給付費分科会(田辺国昭・分科会長)
[対応案]
・ 利用者の送迎について、利用者の自宅と事業所間の送迎を原則とするが、運営上支障が無く、利用者の居住実態(例えば、近隣の親戚の家)がある場所に限り、当該場所への送迎を可能とすることを明確化してはどうか。なお、送迎範囲は事業所のサービス提供範囲内とする。
・ 令和3年度介護報酬改定に関するQ&Aで示された、他事業所の従業員が自事業所と雇用契約を結び、自事業所の従業員として送迎を行う場合や、委託契約において送迎業務を委託している場合(共同での委託を含む)には、責任の所在等を明確にした上で、他事業所の利用者との同乗を可能とすることを明確化してはどうか。
・ また、障害福祉サービス事業所が介護事業所と雇用契約や委託契約(共同での委託を含む)を結んだ場合には、責任の所在等を明確にした上で、障害福祉サービス事業所の利用者も同乗することを可能としてはどうか。なお、この場合の障害福祉サービス事業所とは、同一敷地内事業所や併設・隣接事業所など、利用者の利便性を損なわない範囲内の事業所とする。
[委員発言傍聴メモ]
長内繁樹(全国市長会、豊中市長)
・今後ますます要介護者の送迎の課題が深刻化していくことが予想される。
訪問系サービスの通院等乗降介助では、初任者研修以上と2種免許を持つ訪問介護員を2.5人以上配置する必要があり、人材確保に苦しむ事業者が基準を満たすことができず撤退が進んでいる。
交通分野と連携し、地方の実情を十分に勘案して検討していただきたい。
正立斉(公益財団法人全国老人クラブ連合会理事・事務局長)
・他事業所の利用者との同乗について、運転手の人材不足が進むなか、やむを得ないとは思うが、利用者にとって必ずしも顔見知りでない人との乗り合いになる点には留意が必要だと考える。
[関連記事]
□通所介護、複数事業所の共同送迎を可能に 厚労省 ルール明確化 人材不足に対(2023.11.29ケアマネタイムス)
【LIFE】
〇社会保障審議会介護給付費分科会(田辺国昭・分科会長)
[対応案]
論点1.科学的介護の推進に向けた入力項目の見直し及びフィードバックの充実について
(入力項目の見直し)
(データ提出頻度の見直し)
(フィードバックの見直し)
(褥瘡マネジメント加算)
(排せつ支援加算)
(ADL維持等加算)
(自立支援促進加算)
[委員発言傍聴メモ]
石田路子(NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事、名古屋学芸大学客員教授)
・今回は対象になっていない訪問系のサービスですが、利用者の数も多いこのデータが一番重要と思っている。
正確な数値が出すのがLIFEの目指す姿なので、ぜひ継続的に検討していただきたい。
[関連記事]
□厚労省、施設のアウトカム評価を拡充 褥瘡の治癒など新たに評価(2023.11.30ケアマネタイムス)
□LIFE、データ提出の頻度を統一 3ヵ月に1回まとめて入力 厚労省案(2023.11.30ケアマネタイムス)
□LIFE、居宅介護支援や訪問介護への拡大を見送り 厚労省方針(2023.11.29ケアマネタイムス)
□あっさり引っ込んだ「LIFE加算の適用拡大」。 その背景は? 今後に注意したい点も..(2023.11.30ケアマネタイムス)
□LIFE関連加算、対象サービス拡大せず-24年度報酬改定で厚労省案(2023.11.27キャリアブレイン)
【感染症への対応力強化】
〇社会保障審議会介護給付費分科会(田辺国昭・分科会長)
[対応案]
論点1.感染症発生に備えた平時からの対応
(新興感染症発生時等の対応)
(感染症対応力の向上と感染症発生時の備え)
論点2.新興感染症の発生時等に施設内療養を行う高齢者施設等への対応
[関連記事]
□介護施設での療養、報酬手厚く 厚労省、新感染症への対応(2023.11.27共同通信)
【業務継続に向けた取組の強化等】
〇社会保障審議会介護給付費分科会(田辺国昭・分科会長)
[論点]
論点1.業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入
基本報酬
論点2.非常災害対策における地域住民との連携の推進
好事例の横展開
[関連記事]
□BCP未策定で報酬減算 厚労省提案 26年度末まで経過措置 運営基準違反で指導も(2023.11.30シルバー新報)
□BCP未策定なら減算へ、24年度介護報酬改定-経過措置も、厚労省案(2023.11.28キャリアブレイン)
【口腔・栄養】
〇社会保障審議会介護給付費分科会(田辺国昭・分科会長)
[対応案]
論点1.訪問サービス、短期入所サービスにおける口腔管理の連携に対する評価
論点2.介護保険施設入所者等の口腔管理の充実
論点3.口腔衛生管理体制加算の見直し
論点4.居宅療養管理指導(歯科衛生士等が行う場合)における終末期がん患者等の利用者への対応
論点5.医療と介護における栄養管理に関する情報連携
論点6.再入所時栄養連携加算の対象の見直し
論点1.訪問サービス、短期入所サービスにおける口腔管理の連携に対する評価
[関連記事]
□訪問介護・看護やショート、口腔管理の連携に加算 ケアマネへの情報提供など評価(2023.12.01ケアマネタイムス)
【予算案】
2023年度補正予算案/政府
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財務省
一般会計補正予算の追加歳出 13兆1,272億円
定額減税による「還元策」及びその他関連経費との合計 17兆円台前半程度
[明細抜粋]
Ⅱ.地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ、所得向上と地方の成長を実現する 1兆3,303億円(10%)
介護職員処遇改善 581億円
Ⅳ.人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革を起動・推進する 1兆3,403億円(10%)
認知症関連施策 409億円(※ほかの柱に整理されている事業も含んだ金額)
2023年度補正予算案/介護職員処遇改善581億円
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厚生労働省老健局
〇2023(令和5)年度補正予算案の主要施策集
・介護職員処遇改善支援事業等 364億円
[概要]介護職員を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として、介護職員等ベースアップ等支援加算に上乗せする形で、収入を2%程度(月額平均6,000円相当)引き上げるための措置を行う。
[実施要件(対象、補助率等)]
対象期間:2024年2月~5月の賃金引上げ分(以降も、別途賃上げ効果が継続される取組みを行う)
補助金額:対象介護事業所の介護職員(常勤換算)1人当たり月額平均6,000円の賃金引上げに相当する額。
対象サービスごとに介護職員数(常勤換算)に応じて必要な交付率を設定し、各事業所の総報酬にその交付率を乗じた額を支給。
対象職種:介護職員(事業所の判断により、他の職員の処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める。)
・介護サービス事業者の生産性向上や協働化等を通じた職場環境改善事業 351億円
・介護ロボット開発等加速化事業 3.9億円
・ケアプランデータ連携システム構築事業 2.1億円
・介護職員処遇改善加算等の取得促進支援事業 1.1億円
・介護関連データ利活用に係る基盤構築事業(団体分) 19億円
・共生社会の実現を推進するための認知症基本法に基づく都道府県・市町村の認知症施策推進計画の策定支援 6.3億円
・認知症政策研究事業 5.0億円
・認知症研究開発事業 0.5億円
・地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金(通常分) 28億円
・水道施設、医療施設、社会福祉施設等への災害復旧支援(施設整備) 47億円
・社会福祉施設等への災害復旧支援 (設備整備) 2.4億円
【関連会議】
財政制度等審議会
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財務省
〇財政制度等審議会(十倉雅和・会長)
2024(令和6)年度予算の編成等に関する建議 (2023.11.20公表)
2024(令和6)年度予算編成の課題
(3)介護報酬改定
1.担い手の確保
2.給付の適正化
3.制度の持続性確保
[関連記事]
□介護報酬改定の収益増は処遇改善に 財政審が来年度予算で建議(2023.11.27福祉新聞)
総合経済対策
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内閣府
〇経済対策等 デフレ完全脱却のための総合経済対策~日本経済の新たなステージに向けて~(2023.11.02閣議決定)
第4節 2.デジタル行財政改革(1)主な改革への取組
[ICT技術等の導入支援、ロボット等を活用する施設の人員配置基準の特例的柔軟化]
第4節 5.人手不足等に対応する制度・規制改革
[介護サービスでの複数事業所での管理者の常勤・専従要件の明確化・緩和]
介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会
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厚生労働省老健局
〇介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会(粟田主一・主査)
外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会
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厚生労働省社会・援護局
〇外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会(臼井正樹・座長)
以上
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