週刊誌記者の著者は、親元でシングルライフを楽しんでいた。
「こんなはずじゃなかった」事態に直面したのは37歳のとき。
父親が食道がんで急逝し、翌年には母親が倒れた。
母親は「ここ1日がヤマ」と医師に死刑宣告され、
著者の心は「助かってほしい」と
「これで面倒を看なくてすむ」の間で揺れ動く。
だが、2週間後に奇跡的に回復。
治療が終われば、病院にはいられない。
介護認定結果の予想外の軽さに驚きつつ、
手さぐりで在宅介護に突入した。
在宅サービスの利用でネックになったのは、
ホームヘルパーに家の鍵を渡すことへの抵抗感。
カギを渡すことができるかどうかは、「ひとつの壁」と言う。
働いている間に事故が起こることが心配で、
探してみた高齢者施設。
特別養護老人ホームは入所申込書を書いて待機。
老人保健施設は通院が必要な人は入所できない。
そして、なりよりも、入所費用の高さへの絶望感。
「早くラクになりたい」と心の中で何度も叫びながら、
母親のことも考えられるようになった
「暗闇の2年間」を率直に綴る。
(村田くみ著/河出書房新社/1575円)
