2008年の健康保険法改正により、
40~74歳の保険加入者を対象に
特定健康・特定保健指導(特定健診、俗称「メタボ健診」)が導入された。
メタボとはアメリカ生まれの「メタボリック・シンドローム」のこと。
内臓脂肪型肥満に高血糖・高血圧・高脂血症のうち
ふたつ以上の症状が合併した状態を指し、
動脈硬化などの病気のリスクが高まるという。
厚生労働省はメタボを撲滅すれば
医療費2兆円が節約できるとしているが、
東海大学医学部教授の著者は
特定健診の基準に当てはめると、
男性の94%、女性の83%が異常値になってしまうと指摘。
メタボに関する国際的な評価も定まらないなか、
日本人の場合は「ちょいメタ」のほうが長寿であり、
特に高齢者の場合はやせすぎによる死亡率の上昇のほうが
よほど問題と言う。
日本国内で生産された血圧降下剤と血管拡張剤は
2004年度で8000億円以上という巨大市場であり、
特定健診の導入は「製薬会社と厚労省の癒着」と批判。
高血圧治療が「寝たきり老人」を増やしている
可能性があるとも示唆する一冊。
(大櫛陽一著/角川SSC新書/756円)
