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1932(昭和7)年生まれの著者は、
2007年秋、後期高齢者医療制度の通知を受け取った。
作家という職業柄、文芸美術国民健康保健組合に加入していたが、
75歳から東京都後期高齢者医療広域連合に変更になると言う。

 

“後期高齢者”という文字に「無神経で粗雑な扱い」を感じたが、
「まずゾッと」したのは細かい文字で埋め尽くされた書類だった。
そして、「本当のショック」は、
配偶者とふたりで年間約23万円だった医療保険料が、
著者ひとり分で約19万円という金額だった。

 

「財源不足になると、役人は暴走するらしい」し、
「記者クラブの連中は、カスミガセキを情報源としている」という
まことに正しい分析をしながら、
定年のない自営業は「不安の連続」と告白。

 

年金から「特別徴収」される後期高齢者医療保険料について、
「この騙し方は戦時中の政府のやり口と同じ」で、
「騙されるのはもうたくさんだ」と怒る。

 

本書は2008年に刊行されたが、
2010年現在、後期高齢者医療制度の見直しが検討されるなか、
ふたたび著者の「意見」を読みたい。
(小林信彦著/文春文庫/610円)