2019.11.01 マイケアプラン研究会「ケアプランの自己作成等に関する意見と要望」
マイケアプラン研究会は11月1日、厚生労働省老健局長、社会保障審議会会長、社会保障審議会介護保険部会部会長宛てに「ケアプランの自己作成等に関する意見と要望」を送付しました。
ハスカップ注:
ケアマネジメントへの利用者負担を議論する発端は、今年6月21日に閣議決定された『経済財政運営と改革の基本方針2019』(骨太の方針2019)です。
同方針では、「新経済・財政再生計画に基づき、医療・介護改革を着実に推進し社会保険料負担の伸びを抑制」するとしか書かれていません。
「新経済・財政再生計画」とは、2018年12月20日に経済財政諮問会議がまとめた『新経済・財政再生計画 改革工程表2018』のことで、「介護のケアプラン作成に関する給付と負担の在り方について、関係審議会等において第8期介護保険事業計画期間に向けて検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずる」とされています。
これを受けて、2019年8月以降、「関係審議会等」のひとつである社会保障審議会(事務局は厚生労働省)は、介護保険部会(遠藤久夫・部会長)で、「制度の持続可能性確保」の8テーマのひとつとして、「ケアマネジメントに関する給付の在り方」で、10割給付されてきたケアマネジメント(介護予防支援、居宅介護支援)に利用者の自己負担を導入するかどうかを検討しています。
10月28日、第84回介護保険部会資料3「制度の持続可能性確保」では、「有料化してセルフケアプランが増加した場合、質の確保が懸念される」という「委員からの主な意見」(P.9)が掲載されています。
もうひとつの「関係審議会等」は財政制度等審議会(事務局は財務省)で、財政制度分科会(榊原定征・分科会長)は2019年10月9日資料「社会保障について」において、「給付・サービスの範囲の見直し」のための「今後の検討事項」として、「ケアマネジメントの利用者負担の導入」を掲げています。具体的には「居宅介護支援におけるケアマネジメントに利用者負担を導入すべき。また、ケアマネジメントの質を評価する手法の確立や報酬への反映と併せ、利用者・ケアマネジャー・保険者が一体となって質の高いケアマネジメントを実現する仕組みとする必要」(P.36)があるとしています。
2019.11.1.
厚生労働省 大島一博老健局長様
ケアプランの自己作成等に関する意見と要望
マイケアプラン研究会
世話人代表 小國英夫
私たちの研究会は1999年8月に創設された会員100人足らずの小さな組織ですが「介護が必要になっても自分らしく生きていくことのできる社会の実現」を目指す市民運動団体です。そのために介護保険サービス等の利用に際してもそのケアプランを「自分の生活のプラン、人生のプラン」という考えから、基本的に人任せにすべきではないと考えマイケアプラン研究会を立ち上げました。但し、決して全ての手続きを要介護・要支援者が行うことにこだわっているわけではなく、ケアマネジャーさんも積極的に活用して、正確な情報をもとにプランを作成するという考え方で活動しております。
さてこの度、老健局におかれましては全国の市町村に対して「セルフケアプラン」に関する実態調査をされています。また、社会保障審議会では「ケアプランの有料化」等が検討され、場合によっては「セルフケアプランの廃止」も議論されているやに仄聞しております。
当研究会といたしましては、先ず上記の実態調査において「セルフケアプラン」に関する項目を取り上げられた目的に関して伺いたいと思います。
更に局内や審議会で「セルフケアプランの廃止」が公式に、または非公式にでも検討された事実があるのかどうか、もしあるとすればどういったお考えのもとに検討されているのかを伺いたいと思います。
当研究会は「介護保険制度は契約により保険サービスを利用するものであり、また利用者の尊厳が第一であることから、現行法のもとではマイケアプランを禁止することはできない」と考えています。要介護者・要支援者がサービスの利用に際して「セルフケアプランを作成する権利」は法的に裏付けられた確固たるものであるとの認識を持っております。
介護保険法は要介護者・要支援者をはじめ関係者の生活自律(自立)を支援する福祉立法の1つであること、そしてケアプランの自己作成は当事者にとって生活自律(自立)に大いに役立つという観点から、「セルフケアプランの廃止」には絶対に反対することをこの際明確に意思表示しておきます。
また、財務省サイドは社会保障費削減のためなら何でもやるとの姿勢です。従って、そうした財務省の強引な動きに関しては、厚生労働省としてハッキリと「法律的に無理であること。強行すれば法律的にも、事業現場においても、利用者においても混乱と不信しか生まない」と財務省に強く反論して頂きたいと思います。
なお、上記の調査結果に関しましては速やかにご報告頂きたくお願い申し上げます。
以上、よろしくお願い申し上げます。
2019.11.1.
社会保障審議会 西村周三会長様
同審議会介護保険部会 遠藤久夫部会長様
ケアプランの自己作成等に関する意見と要望
マイケアプラン研究会
世話人代表 小國英夫
私たちの研究会は1999年8月に創設された会員100人足らずの小さな組織ですが「介護が必要になっても自分らしく生きていくことのできる社会の実現」を目指す市民運動団体です。 そのために介護保険サービス等の利用に際してもそのケアプランを「自分の生活のプラン、人生のプラン」と考えから、基本的に人任せにすべきではないと考えマイケアプラン研究会を立ち上げました。但し、決して全ての手続きを要介護・要支援者が行うことにこだわっているわけではなく、ケアマネジャーさんも積極的に活用して、正確な情報をもとにプランを作成するという考え方で活動しております。
さてこの度、厚生労働省では全国の市町村に対して「セルフケアプラン」に関する実態調査をされています。また、社会保障審議会では「ケアプランの有料化」等が検討され、場合によっては「セルフケアプランの廃止」も議論されているやに仄聞しております。
先ず、審議会はこの実態調査に関してその趣旨、目的、内容等に関して十分ご存じなのでしょうか。
更に審議会では「セルフケアプランの廃止」が公式に、または非公式にでも検討された事実があるのかどうか、もしあるとすればどういったお考えのもとに検討されているのかを伺いたいと思います。
当研究会は「介護保険制度は契約により保険サービスを利用するものであり、また利用者の尊厳が第一であることから、現行法のもとではセルフケアプランを禁止することはできない」と考えています。要介護者・要支援者がサービスの利用に際して「セルフケアプランを作成する権利」は法的に裏付けられた確固たるものであるとの認識を持っております。
介護保険法は要介護者・要支援者をはじめ関係者の生活自律(自立)を支援する福祉立法の1つであること、そしてケアプランの自己作成は当事者にとって生活自律(自立)に大いに役立つという観点から、「セルフケアプランの廃止」には絶対に反対することをこの際明確に意思表示しておきます。
また、財務省サイドは社会保障費削減のためなら何でもやるとの姿勢です。従って、そうした財務省の強引な動きに関しては、社会保障審議会としてハッキリと「法律的に無理であること。強行すれば法律的にも、事業現場においても、利用者においても混乱と不信しか生まない」と財務省に強く反論して頂きたいと思います。
以上、よろしくお願い申し上げます。
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