お問い合わせ

メールマガジン登録 ハスカップについて 

記事検索

2021.09.16 高齢社会をよくする女性の会・大阪 介護保険に係る政党への公開質問状への回答


介護保険制度の原則のついての考え方は?
質問2
 貴政党の「介護ビジョン」をお示しください。
 その際、日本の社会保障制度の現状についての見解と目指す姿をお示しください。
 介護保険制度導入時の考え方(社会的介護、 自己決定、尊厳ある介護、保険料の応能負担と利用料の応益負担)について、 現時点での考え方をお示しください。
自由民主党
 日本の社会保障制度については、自助・共助・公助を組み合わせ、全ての世代の方が安心できるものとすることが重要であると考えています。
 その上で、介護サービスは、利用者やその家族の生活を継続する上で欠かせないものです。
 介護保険制度は、現在も制度創設時の基本的な考え方の下で運営されていますが、サービス利用者数の増加に伴い、地域包括ケアシステムを深化・推進させるとともに、サービスの効率化・重点化を図ることにより、持続可能な介護保険制度を堅持していきます。
公明党
◯公明党は、介護を含め、政治の課題は現場にあると考え、一貫して「現場第一主義」で政策立案に取り組んできました。
 介護においては、国会議員と地方議員のネットワーク力を活かし、介護総点検などを行ってきました。
◯例えば、2009年11月には、介護現場の課題を探るため、「介護総点検」を実施し、2018年4月には、介護を含めたテーマにアンケート調査を行う「100万人訪問・調査」運動を行い、様々な施策を推進してきました。
◯日本の社会保障制度の現状については、人生100年時代の到来やライフスタイルの多様化といった変化の中、年金、医療、介護、子育てといった社会保障全般にわたる改革を進めることで、現役世代の負担上昇の抑制を図りつつ、全ての世代が安心できる「全世代型社会保障」を構築していくことが重要であると考えています。
◯その上で、介護保険制度は、家族が多くを担っていた高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとすべく 2000 年に創設されました。
 それ以来20年が経ち、高齢者数は約 3,600万人と創設当時から約1.6 倍となり、サービス利用者数は3倍超の約500万人となり、介護が必要な高齢者の生活の支えになっていると考えます
◯団塊の世代が全て 75歳以上となる 2025年、さらには高齢者人口がピークを迎える 2040年を見据え、給付の重点化・効率化等により制度の持続可能性を高めるとともに、地域の力を活用しつつ、必要な方に確実に介護サービスが提供できるよう、取り組んでいく所存です。
立憲民主党
◯自助と競争を強調し、目先の採算性で現場を切り捨てる従来の政治モデルの下では、一人ひとりが安心して暮らし、それぞれの幸福を追求することのできる社会は実現できません。
 現下の新型コロナウイルスの感染拡大のなか、従来のモデルはその脆弱性を露見させています。
 その脆弱性は、人材の不足や偏在が指摘されてきた医療機関や保健所、介護・障がい福祉・保育施設において特に顕著に現れたと考えます。
 政府の全世代型社会保障検討会議においては、高齢者や患者等の実態を踏まえない、財政面偏重の議論が行われてきました。
 また、少子高齢化、目減りする年金、介護離職など、直面する課題への抜本的な解決策は打ち出されませんでした。
 政府の唱える全世代型社会保障では、国民生活の安心は確保できません。
 誰もが安心して暮らし、それぞれの幸福を追求することのできる支え合いの社会を実現するためには、個々人の「自助努力」を強調するのではなく、「公助」を充実することが必要です。
◯少子高齢社会に対応し安心して暮らせる社会にむけて、医療・介護・障がい福祉・保育・教育・放課後児童クラブなどの「ベーシックサービス」を拡充し、誰もが必要なサービスを受けることのできる社会を目指します。
 社会全体での支え合い、利用者本位など介護保険制度導入時の考え方が維持されるよう、将来に向けて介護保険制度を持続可能なものにしていく必要があると考えます。
国民民主党
 高齢になっても人生を楽しめるよう、年金・医療・介護等の社会保障制度の安定性を確保し、安心を守らなければなりません。
 しかし、介護等の社会保障制度にかかる費用を現役世代だけで支えることもできておらず、将来世代にツケを回しているのが現状です。
 今後、社会保障制度の充実・安定化により将来不安を軽減する必要があります。
 世代間公平に配慮しつつ、重点化と効率化によって、子どもから高齢者にわたる、持続可能な社会保障制度を構築します。
 また、高齢者人口が増加し続ける2042年までは看護と介護の機能的な統合性を追求すべきと考えます。
日本共産党
◯日本共産党の「介護のビジョン」は、現役世代も高齢者も安心できる公的介護制度に転換する介護保険制度の改革です。
 公的介護制度への国庫負担を引き上げながら、介護職員の賃金を国の責任で引上げ、配置基準の見直し、雇用の正規化、長時間労働の是正など労働条件を改善します。
 介護保険料・利用料の減免、保険給付の拡充、特養ホームなど介護施設の増設により、必要な介護が受けられる制度にします。
 これまでの自公政権は社会保障の公的責任を放棄し、自己責任を押し付ける「自助・共助・公助」をスローガンにし、20年の長きにわたり、社会保障費の「自然増」を毎年数値目標を決めて削減する政治を続けてきました。
 コロナで示されたように、感染症まで「自宅療養が原則」と自己責任を押し付ける、冷酷で無責任な政治が国民を苦しめています。
 社会保障は国民の権利であり、誰もが必要になったときに使えることが重要です。
 社会保障はいくら制度があっても、支えるケア労働者がいなければなりたちません。
 ケア労働者の生活を保障し、働きやすい職場環境をつくるために、国の責任で賃金を引き上げ、介護報酬の抜本的増額と改善をおこない、労働条件の抜本的改善、担い手の育成・確保をすすめます。
 介護保険は、日本で5番目の社会保険として2000年に始まり、「家族介護から社会で支える介護へ」というスローガンを掲げて導入されましたが、介護保険の20年が自公政権による社会保障削減路線の20年と重なったために、「介護の社会化」の目標は骨抜きになりました。
◯介護が必要でも、利用料負担の重さからサービス利用できない高齢者が増え続け、家族介護の負担は減っていません。
 介護離職せざるを得なく、親などになりかわって介護する「ヤングケアラー」の問題も明らかになっています。
 利用者の自己決定にもとずく尊厳ある介護という当初の目標も、軽度者の介護給付はずしや、特養入所の中・重度者への限定、要介護認定の基準改悪などで大きく損なわれています。
 3年ごとの保険料引き上げ、一律1割だった利用料が2・3割に引き上げられ、施設の食費・居住費も原則自己負担とされるなど、「応益負担」の強化が繰り返され、応能負担も骨抜きにさせられました。
 給付削減は、利用者・家族を苦しめるとともに、「いざという時に使えない制度」という国民の不信を高め、制度の存立基盤を危うくするだけです。
 介護保険の創設を主導した元厚労省幹部からも、このままでは介護保険は「国家的詐欺」の制度となるという危惧の声も上がっています。待ったなしの「改革」が求められています。
社民党
 急速に進む少子高齢社会に政策が追いつかず、日本の社会保障制度は非常に厳しい現実に直面しています。
 現政府は社会保障の財源とサービスの縮小を繰り返しています。
 それでは生活の安心、安全が担保できません。非正規雇用の増大に歯止めをかけ正規雇用へ転換する、仕事と家族的責任の両立を図り女性の就労を促進する等、制度の基盤となる担い手の強化が不可欠です。
 「介護の社会化」という理念を掲げた介護保険制度が始まり21年が経ちます。
 自己選択・自己決定を保障する身近な制度のはずが、複雑な見直しを重ね、利用者が理解しにくく使い勝手のよくない制度になってきました。
 サービスが縮小し、このままでは高齢者の尊厳のある生活は確保が難しくなると考えます。
日本維新の会
◯「介護のビジョン」について
・日本の社会保障制度はつぎはぎだらけで綻びが目立つため、抜本的な改革を行い持続可能 なセーフティーネットにする必要があると考えている。
 介護についても例外ではない。
 まず「持続可能な医療・介護システム」を作る必要がある。
・地域における医療と介護の切れ目ないサービス提供ができるよう、在宅医療の・在宅介護 の質・量を高め、初めて経験できる人でも安心して使える地域包括ケアシステムを構築・介護施設不足の解消のため、介護サービスでの地方分権と規制改革を行い、ニーズを適 時・的確に把握できる体制を整える。
 ・病気や要介護になることを防ぐ一次予防・健康増進を図るとともに、先進自治体のモデル の横展開を進め、介護予防・予防医療の取り組みを一層推進する。
◯介護保険制度導入時の考え方について1997年に介護保険法が成立し、2000年に施行された。
 高齢者の介護を社会全体で支え合う社会的介護の考えを制度化したものが介護保険だと承知しており、必要なものと考える。
 介護保険の基本的な考え方は・自立支援・利用者本位・社会保険方式の3点だが、利用者が自己決定し多様な主体から保険医療・福祉サービスを総合的に受けられることや尊厳ある介護、従前は中高所得者にとって利用者負担が重いとされた応能負担を給付と負担の関係が明確な社会保険方式の採用に踏み切ったことは、現時点でも基本的に評価している。
れいわ新選組
 2000年に「介護の社会化」を謳って制度発足した介護保険制度は、この20年間の度重なる制度改悪により、給付抑制(「要支援1,2」を介護保険から外し、市町村事業化等)、保険料負担・利用者負担の増化、報酬改定による事業所経営の悪化、何よりも劣悪な労働条件と低賃金からくる介護人材不足が重なり、保険負担はあっても必要なだけの支援・サービスが手にはいらない制度に成り果てています。
 当初の掛け声の「介護の社会化」からは遠ざかり、「介護保険は『国家的詐欺』となりつつあ」ります。(介護保険創設時前後の老健局長・堤修三氏『シルバー産業新聞』 2015・11・10)。 
 そのため、家族を介護するために仕事を辞める介護離職者が年間10万人近く存在し、若年介護者はそもそも仕事に就く機会を失したまま、社会的孤立の中に留め置かれています。
 2025年には団塊世代が後期高齢者(75歳以上)になり、医療・介護など社会保障費が急増し、さらに2040年には団塊ジュニアと就職氷河期世代の一部が高齢者(65歳以上)となり、65歳以上が4000万人に達する見込みです。
 人口は減少し、1人の高齢者を1.5人の現役世代で支えることになります(※国立社会保障・人口問題研究所の2017年推計)。
 1970年代生まれの高齢者は、非正規・不安定雇用の世代であり、それまでの社会保障の枠組みから取りこぼされたまま高齢化している可能性があります。
 世帯の45%がひとり暮らしになり、世帯の単身化が進み、「介護難民」・孤立化問題が深刻化することが予想されています。
 こうした現状に対応するために、れいわ新選組としては、今までの介護保険制度の改悪に反対し、元に戻させるだけではなく、自治体の福祉職を増員し、過去に存在した公務員ヘルパーを復活を提案します。(参考:https://kaigo.joint-kaigo.com/article-12/pg921.html)
 今回のコロナ禍において、介護現場で職員、利用者の感染クラスターが発生した場合、事業所・法人内での対応に任され、完全に感染者ゼロになるまで、少人数で介護現場を回していた介護従事者に過重な負担が強いられました。
 民間事業者だけでは必要なサービスの量と質がまかなえない事態や過疎地域、多重問題を抱えた利用者への対応のため、措置時代のように市区町村で公務員ヘルパーを常駐させます。
 また、現在、一部の自治体(静岡県富士宮市)で行われているように、介護、健康福祉、虐待防止、権利擁護など、高齢者のあらゆる相談や問題に対応する「ワンストップ相談窓口」として自治体直轄の地域包括支援センターを増やしていきます。
 行政、医療、保健、福祉の専門機関、介護サービス事業所、住民組織など、地域のさまざまな組織や人材と連携して、包括的なサポートを自治体の責任で、効率的に行えるようにします。
 こうすることで介護に関しての課題がスムーズに自治体に集まってくるシステムが出来上がり、自治体ごとの介護政策の立案にも役立ちます。
 さらに公立施設・病院にも公務員介護士を増やしていきます。
 そして、長期的ビジョンとしては、将来的に介護保険制度は廃止し、サービスの質を担保することを当然の前提にして、応能負担原則に基づいた税方式にすることを検討します。
質問1 公約で介護保険を取りあげますか?
質問3 介護保険の財源についての見解は?
質問4 「軽度者」についてどう考えていますか?
質問5 「補足給付」の見直しについての見解は?
質問6 人材不足解消の政策は?

—–