2023.11.01 厚生労働省老健局あて 介護保険制度についての質問と回答
(阿部とも子衆議院議員事務所調べ)
※タイトルと[出典詳細]はハスカップで編集しました。
介護保険制度の負担軽減策はなに?
【質問1】
介護保険制度の認定者がサービスを利用する場合、利用者負担が過剰にならないよう負担軽減策が設けられているが、軽減策の名称、最新の対象者数をすべて教えてもらいたい。
回答1(老健局介護保険計画課)
介護保険制度における利用者負担軽減施策の名称及び給付実績は以下のとおりです。
・高額介護(介護予防)サービス費:21,323,927件(2021年度)
※1ヶ月単位で給付、2021(令和3)年度の1年分の合計給付件数
・高額医療合算介護(介護予防)サービス費:1,195,525件(2021年度)
※年間単位で給付、2021(令和3)年度の給付件数
・特定入所者介護(介護予防)サービス:17,398,737件(2021年度)(食費と居住費の合計件数)※1ヶ月単位で給付、2021(令和3)年度の1年分の合計給付件数
・社会福祉法人等による利用者負担軽減制度:1,526保険者で実施(2022年4月1日時点)
出典:2021(令和3)年度介護保険事業状況報告(年報)及び2022(令和4)年度介護保険事務調査の集計結果について
[出典詳細]
利用者はいくら負担しているの?
【質問2】
認定者が自己負担する医療費、介護費について、認定ランク別に平均額(月額、年額)を教えてもらいたい。
回答2(老健局介護保険計画課)
サービス利用者1人あたりの自己負担額は別添資料のとおりです。
なお、資料中にも記載していますが、自己負担額については、高額介護サービス費の適用前の額になります。
※別添資料
社会保障審議会介護保険部会(菊池馨実・部会長)第107回(2023.07.10)参考資料2「利用者数及び利用者1人あたりの自己負担額(サービス別)」
高齢者の最低限の生活費はいくらなの?
【質問3】
高齢者が「健康で文化的な最低限度の生活を営む」生活費の試算、あるいは粗い試算、目安となる額について、具体的な金額(月額、年額)を教えてもらいたい。
回答3(社会・援護局保護課)
2023(令和5)年10月以降の基準額(月額)の具体的事例
下記額に加えて、医療扶助、介護扶助等、医療、介護等の実費相当が必要に応じ給付される。
高齢者単身世帯【68歳】(月額)
1級地-1 合計 131,680円(生活扶助 77,980円 住宅扶助 53,700円)
1級地-2 合計 108,950円(生活扶助 74,950円 住宅扶助 34,000円)
2級地-1 合計 116,090円(生活扶助 73,090円 住宅扶助 43,000円)
2級地-2 合計 106,240円(生活扶助 71,240円 住宅扶助 35,000円)
3級地-1 合計 102,770円(生活扶助 70,770円 住宅扶助 32,000円)
3級地-2 合計 100,450円(生活扶助 68,450円 住宅扶助 32,000円)
高齢者夫婦世帯【68歳、65歳】(月額)
1級地-1 合計 186,460円(生活扶助 122,460円 住宅扶助 64,000円)
1級地-2 合計 161,030円(生活扶助 120,030円 住宅扶助 41,000円)
2級地-1 合計 168,790円(生活扶助 116,790円 住宅扶助 52,000円)
2級地-2 合計 155,750円(生活扶助 113,750円 住宅扶助 42,000円)
3級地-1 合計 150,760円(生活扶助 112,760円 住宅扶助 38,000円)
3級地-2 合計 146,720円(生活扶助 108,720円 住宅扶助 38,000円)
注1 生活扶助の額には、冬季加算(Ⅵ区の月額×5/12)を含む。
注2 住宅扶助の額は、1級地-1:東京都区部、1級地-2:福山市、2級地-1:熊谷市、2級地-2:荒尾市、3級地-1:柳川市、3級地-2:さぬき市とした場合の令和5年度における上限額の例である。
「総合事業の充実」ってなんですか?
【質問4】
老健局が設置する「介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会」では、「中間整理に向けた議論について」で「1.要介護や認知症となっても総合事業を選択できる枠組みの充実」、「4.総合事業と介護サービスとを一連のものとし、地域で必要となる支援を継続的に提供するための体制づくり」とある。また、「中間整理骨子(案)」では、「継続利用要介護者の利用対象サービスを、住民主体サービスから広げていくことについての検討が必要」とある。
①「要介護や認知症となっても総合事業を選択できる枠組み」とは具体的になにか?
②「一連のもの」とする総合事業と介護サービスはなにか?
③「継続利用要介護者の利用対象サービスを、住民主体サービスから広げていく」ことがなぜ必要なのか?
④なお、この文脈は要介護認定になっても、訪問介護と通所介護を給付せず、総合事業サービスを利用する人を増やす意図があると考えていいか?
回答4(老健局認知症施策・地域介護推進課)
○ 要介護になっても引き続き受けることができる総合事業のサービスの拡大は、「介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会」において、高齢者が地域とつながりながら自立した日常生活をおくるための選択肢を拡大する観点から検討されているものです。
○ 同検討会では、第4回において中間整理(案)が提示され、これについての議論がなされたところです。
○ 具体的に、①~④につきましては、同検討会の中間整理(案)において、「継続利用要介護者の利用対象サービスを、住民主体サービスから広げていくことについての検討が必要」との提案がなされ、現行の利用対象サービスをサービスAに拡大すること等について議論を行いましたが、これは④のように「要介護認定になっても、訪問介護と通所介護を給付せず、総合事業サービスを利用する人を増やす意図」から提案されたものではなく、高齢者が地域とつながりながら自立した日常生活をおくるための選択肢を拡大する観点から提案されたものと承知しています。
[出典詳細]
介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会(粟田主一・主査)
「地域の多様な主体と協働した交流の場の拠点づくり」ってなんですか?
【質問5】
社会保障審議会介護給付費分科会では、個別サービスの「検討の方向性」が提示されはじめている。
第228回(2023.10.23)では、小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護について、「多様な主体が提供する生活支援サービスを含む居宅サービス計画を作成すること、認知症の方の積極的な受入や人材育成、更には、地域の多様な主体と協働した交流の場の拠点づくりの取組などを評価してはどうか。」と書かれている。
第229回(2023.10.26)では、療養通所介護でもまた、「多様な主体が提供する生活支援サービスを含む居宅サービス計画を作成すること、認知症の方の積極的な受入や人材育成、地域の多様な主体と協働した交流の場の拠点づくりの取組などを評価してはどうか。」と書かれている。
「多様な主体が提供する生活支援サービスを含む居宅サービス計画」の具体的内容を教えてもらいたい。
「地域の多様な主体と協働した交流の場の拠点づくりの取組」の具体的内容を教えてもらいたい。
回答5(老健局認知症施策・地域介護推進課、老人保健課)
○ お尋ねの記載については、第 228 回・第 229 回社会保障審議会介護給付費分科会において、対応の方向性としてお示ししたものであり、現時点で具体的な内容をお示しすることは難しいですが、引き続き、介護給付費分科会における議論を踏まえて具体的な検討を進めてまいります。
[出典詳細]
社会保障審議会介護保険部会(菊池馨実・部会長)
第228回(2023.10.23)
[対応案]また、小規模多機能型居宅介護が、地域包括ケアの担い手として、地域に開かれた拠点となり、サービスの質の向上を図りつつ、認知症対応を含む様々な機能を発揮し、地域の多様な主体とともに利用者を支える仕組みづくりを促進する観点から、地域包括ケアの推進と地域共生社会の実現に資する取組について、新たに評価することとしてはどうか。
[対応案]看護小規模多機能型居宅介護が、地域包括ケアの担い手として、地域に開かれた拠点となり、サービスの質の向上を図りつつ、認知症対応を含む様々な機能を発揮し、地域の多様な主体
とともに利用者を支える仕組みづくりを促進する観点から、地域包括ケアの推進と地域共生社会
の実現に資する取組について、新たに評価することとしてはどうか。
第229回(2023.10.26)
[対応案]療養通所介護が、地域包括ケアの担い手として、地域に開かれた拠点となり、サービスの質の向上を図りつつ、認知症対応を含む様々な機能を発揮し、地域の多様な主体とともに利用者を支える仕組みづくりを促進する観点から、地域包括ケアの推進と地域共生社会の実現に資する取組について、障害福祉サービス等における報酬改定を考慮し、新たに評価することとしてはどうか。
以上
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