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2025.12.25 社会保障審議会介護保険部会 「給付と負担」についての『意見』

昨年12月25日、 社会保障審議会介護保険部会は『介護保険制度の見直しに関する意見』をまとめました。
介護保険料や利用者負担など、被保険者の負担を増やすテーマは、ほとんどが2026年に持ち越しとなりました。
「給付と負担」9項目について、『意見』を抜粋して紹介します。(市民福祉情報オフィス・ハスカップ主宰 小竹雅子)

厚生労働省老健局
社会保障審議会介護保険部会(部会長・菊池馨実 早稲田大学理事・法学学術院教授)
『介護保険制度の見直しに関する意見』(2025.12.25公表)
Ⅳ 多様なニーズに対応した介護基盤の整備、制度の持続可能性の確保
2.給付と負担

………………………………
1.第1号介護保険料の引き上げ(1号保険料負担の在り方)
— 所得に応じた負担段階の見直し
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★引き続き検討
P.41
保険者の段階設定や第1号被保険者の所得の状況等を踏まえ、被保険者の負担能力に応じた保険料設定について、引き続き検討を行うことが適当である。

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2.利用者負担を2割に(「一定以上所得」、「現役並み所得」の判断基準)
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★2026年度中に結論
P.43
①所得基準について
②配慮措置について
[検討の方向性]
2026(令和8)年度に見込まれる医療保険制度における給付と負担の見直し、現在補足給付について行われている預貯金等の把握に係る事務の状況等を踏まえ、本部会で継続検討し、第 10 期介護保険事業計画期間の開始(2027年度~)の前までに、結論を得ることが適当である。

[関連記事]
介護保険改革、小幅に 2割負担拡大先送り 厚労省部会(2025.12.26毎日新聞)
[時論]先送りは解決にならない 介護2割負担の対象拡大(2025.12.26東奥日報)
介護「2割負担」拡大 越年…厚労相諮問機関 高齢者生活に配慮(2025.12.26読売新聞)
介護2割負担拡大、来年度末までに結論先送り 医療の負担増重なり(2025.12.25朝日新聞)
介護2割負担拡大の決定見送り 来年度末までに結論―政府(2025.12.24時事通信)
介護「2割負担」拡大また迷走、4度目の先送り 医療費増と重複を懸念(2025.12.22日経新聞)
介護保険サービス「2割負担」対象拡大、年内決定は見送りへ…医療費と「負担増」重ならないよう配慮(2025.12.21読売新聞)

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3.補足給付の利用者負担の引き上げ(補足給付に関する給付の在り方)
— 低所得利用者のショートステイ、施設サービスなどの食費・居住費への補助
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★補足給付の対象のうち、第3段階の自己負担額を引き上げ
P.48
補足給付に関する給付の在り方について、能力に応じた負担とする観点から精緻化し、所得段階間の均衡を図ることが必要であり、具体的には、以下の見直しを行うことについて、概ね意見の一致を見た。
・ 第3段階②の負担限度額について、能力に応じた負担とする観点から上乗せを行う。
・ 第3段階①を本人年金収入等 80 万円超 100 万円以下の段階(第3段階①ア)と同100 万円超 120 万円以下の段階(第3段階①イ)の2つに区分、第3段階②を本人年金収入等 120 万円超 140 万円以下の段階(第3段階②ア)と同 140 万円超の段階(第3段階②イ)の2つに区分し、第3段階①イ及び第3段階②イの負担限度額について、上乗せを行う。
・ 見直しに当たっては、各段階の年金収入等と食費・居住費、利用者負担等との差額の差の均衡を図る範囲で上乗せを行う。
○ また、施行日については、第 10 期介護保険事業計画期間(2027年度~)からの実施を基本とした上で、区分の細分化を伴わない見直しについては、2026年度から実施することが適当である。

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4.老人保健施設と介護医療院の相部屋に居住費を導入(多床室の室料負担)
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★介護給付費分科会で検討
P.49
介護給付費分科会において多床室の室料負担の在り方について検討を行う必要がある。

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5.ケアマネジメントの有料化(ケアマネジメントに関する給付の在り方)
— 10割給付で利用者ゼロのケアマネジメントに利用者負担を導入
………………………………
★住宅型有料老人ホームの利用者への有料化を検討
P.50
①幅広い利用者に利用者負担を求めることについて
②利用者の所得状況を勘案することについて
③事務に要する実費相当分に利用者負担を求めることについて
④住宅型有料老人ホームの入居者に対して利用者負担を求めることについて
[検討の方向性]
住宅型有料老人ホームの入居者に関して、ケアプラン作成を含めて利用者負担の対象としている特定施設入居者生活介護等との均衡の観点から、新たに登録制といった事前規制の対象となる有料老人ホームの入居者に係る新たな相談支援の類型に対して利用者負担を求めることが考えられるところ、本部会における意見も十分に踏まえた上で、丁寧に検討することが適当である。

[関連記事]
住宅型有老に相談支援の新類型 ケアマネジメントの利用者負担導入へ(2026.01.14シルバー産業新聞)
介護費の抑制、住宅型ホームに照準 政府 報酬見直し・ケアプラン有料化 2027年度改定の焦点に(2025.12.26ケアマネタイムス)
自民党ケアマネ議連、利用料導入は慎重に(2025.12.25福祉新聞)
住宅型ホームのケアマネ新類型は「相当の混乱をきたす」 有老協が声明で懸念を表明(2025.12.24ケアマネタイムス)
厚労省の「ケアマネジメント」一部有料化方針 大筋了承される(2025.12.22NHK)
ケアプラン、利用者負担導入 住宅型有料老人ホーム入居者に 厚労省(2025.12.22朝日新聞)

[参考資料]
◇公益社団法人全国有料老人ホーム協会(中澤俊勝・理事長)
介護保険部会における「とりまとめに向けた議論」の「ケアプラン一部有料化」に関する内容と有老協での考え方(2025.12.22公表)
◇一般社団法人日本介護支援専門員協会(柴口里則・会長)
住宅型有料老人ホーム入居者に対するケアマネジメントの在り方に関する意見(2025.12.10)

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6.要介護1・2の訪問介護と通所介護の給付カット(軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方)
— 要支援認定者に続き、要介護1と2の訪問介護と通所介護を地域支援事業に移す
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★引き続き検討
P.56
軽度者(要介護1・2の者)の生活援助サービス等に関する給付の在り方について、介護サービスの需要が増加する一方、介護人材の不足が見込まれる中で、総合事業における認知症の方の受け皿となる多様なサービス・活動の整備の進捗状況、総合事業のうち専門職が中心となってサービスを提供している類型(従前相当サービス等)における専門職の役割、専門職によるサービスと地域の支え合いの仕組みの連携の実施状況など、検討に必要なデータを多角的に収集・分析しつつ、介護保険の運営主体である市町村の意向や利用者への影響等も踏まえながら、引き続き、包括的に検討を行うことが適当である。

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7.40歳未満への被保険者の拡大(被保険者・受給者範囲)
— 第2号被保険者(40~64歳)の年齢を引き下げる
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★引き続き検討
P.58
介護保険を取り巻く状況の変化も踏まえつつ、引き続き検討を行うことが適当である。

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8.資産勘案(金融所得、金融資産の反映の在り方)
— 「2.利用者負担を2割にする」に関連し、所得だけでなく、預貯金も対象にする
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★引き続き検討
P.59
後期高齢者医療制度での対応状況も踏まえつつ、介護保険制度における将来的な導入について、制度面・運用面等の総合的な観点から、引き続き検討を行うことが適当である。
政府として預貯金等へのマイナンバーの付番を推進し、その状況を踏まえて、預貯金等の確認でのマイナンバーの活用について、引き続き検討を行うことが適当である。

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9.利用料の上限(高額介護サービス費の在り方)
— 高額介護サービス費の利用者負担額を引き上げる
………………………………
★引き続き検討
P.61
制度の運用状況を踏まえ、引き続き検討を行うことが適当である。

以上