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[特別養護老人ホームの待機者について]
特別養護老人ホームを希望する人が増え続けても、施設整備が進まないため、待機者リストに並ぶ人が2009年には42.1万人になりました。
2年後の2011年、社会保障審議会介護給付費分科会(大森彌・分科会長)に、特別養護老人ホームからみて「真に入所が必要」なのは、待機者42.1万人のうち1割、4万人に過ぎないという調査結果(医療経済研究機構『2010年度老人保健健康増進等事業研究報告書 特別養護老人ホームにおける待機者(優先入所申込者)の実態に関する調査研究』)が報告されました(社会保障審議会介護給付費分科会 第78回(2011.08.10)栃本一三郎参考人資料1ー1)。
そして、2014年、待機者は52.4万人とさらにふくらみました。
ところが、同年、「地域包括ケアシステムの構築」を掲げた介護保険法の改正で、「重点化・効率化」のために、特別養護老人ホームを利用できるのは、要介護3以上の人が原則になったのです。
2015年4月以降、要介護1、2の人は、特別養護老人ホームを希望することもできなくなりました。
ただし、①すでに特別養護老人ホームを利用している「軽度の要介護者」(要介護1、2)は継続できる、②「軽度の要介護者」でも、やむをえない事情がある場合は、新規の利用(特例入所)を認める、とされました。
2017年の通常国会で、特例入所の有効性を問われた厚生労働省は、同年3月、市区町村(区は東京23区)に、要介護1、2であっても、申し込みを拒否しないようにという釣Ⅰを出しましたが、申し込みは受けつけても、実際に利用できるかどうかは別の問題です。
2015年度からの第6期介護報酬改定では、新規利用者のうち要介護4と5が7割以上などの条件をクリアした場合、「日常生活継続支援加算」を増額するという見直しが行われました。
結果として、特別養護老人ホームを利用できる条件は、介護保険法では要介護3以上、介護報酬では要介護4以上になったともいえます。
また、介護保険の対象外で、賃貸住宅と位置づけられているサービス付き高齢者向け住宅が、2015年から2017年の間に64倍増と激増しました。民間会社の運営がほとんどで、特別養護老人ホームの利用を原則対象外とされた要介護1、2の人が4割になります(財団法人高齢者住宅財団 2012年度老人保健事業推進費補助金老人保健健康増進等事業『サービス付き高齢者向け住宅等の実態に関する調査研究』)。
老人保健健康増進等事業は、厚生労働省の老人保健事業推進費補助金(2024年度予算額25億円)で実施されています。
(岩波新書『総介護社会』より再構成)

待機者
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特養入所申込者の近年の大幅減少の「なぜ」。原因は「住み替え」選択肢の多様化だけ?(2026.01.16ケアマネタイムス)
特養待機者約5万人減少 厚労省調査 有料など選択肢増が影響か(2026.01.09シルバー新報)
特別養護老人ホーム待機者、3年で5万人減 厚労省調査(2025.12.30日経新聞)

[関連資料]
厚生労働省老健局
特別養護老人ホームの入所申込者の状況(2025年度)(2025.12.24公表)
要介護1・2(特例入所) 1.8万人
要介護3以上 20.6万人
(合計22.4万人)

[参考資料]
特別養護老人ホームの入所申込者の状況(2022年度)(2022.12.23公表)
要介護1・2(特例入所) 2.3万人
要介護3以上 25.3万人
(合計27.5万人)
特別養護老人ホームの入所申込者の状況 (2019年度)(2019.12.25公表)
要介護3以上 29.3万人
特別養護老人ホームの入所申込者の状況(2014.03.25公表)
要介護1・2 17.8万人
要介護3以上 21.9万人
(合計52.4万人)
特別養護老人ホームの入所申込者の状況(2009.12.22公表)
要介護1~3 24.3万人
要介護4・5 17.9万人
(合計42.1万人)

事業所
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特別養護老人ホーム8600施設超え 介護施設・事業所調査 厚労省(2025.12.30福祉新聞)

[関連資料]
厚生労働省政策統括官付参事官付社会統計室
2024(令和6)年介護サービス施設・事業所調査の概況(2025.12.19公表)
[介護保険施設]
特別養護老人ホーム 8,621施設(定員60万4,469人)
老人保健施設 4,214施設(定員36万5,939人)
介護医療院 917施設(定員5万2,837人)
(合計1万3,752施設 定員102万3,245人)

 

以上