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税務署で突然、怒鳴りはじめる初老の紳士、
自販機でタバコを買うのが遅いと殴り合う70歳と60歳……。
若者の凶悪犯罪の減少と反対に、
65歳以上の高齢者の犯罪検挙数はこの16年間で5倍も増えている。
著者は、キレやすい高齢者を「新老人」と命名し、彼らの行動を考察する。
ケータイやパソコンなど情報通信の発達は、
ネット時代の恩恵を受けられない人たちを
「情報難民」として排除しているのではないか。
独居世帯の増加による孤独な暮らしに、
コンビニエンスストアやファミリーレストランのマニュアル化された笑顔は、
重大なストレスを与えているのではないか。
「のんびりと日向ぼっこするおだやかな老人像」は虚像ではないか。
タイトルだけで敬遠してしまう人もいるかも知れないが、
登場する高齢者の姿は、
「情報化社会に抵抗する『ひとつの警笛なのだ』」との指摘に考えさせられる。
(藤原智美著・文藝春秋・1000円+税・2007)