岩波新書『 総介護社会 ―介護保険から問い直す』(840円+税)
2018年7月20日、岩波新書『 総介護社会』を出しました。
介護保険制度の「これまで、いま、これから」について、市民の立場で、利用する人、介護する人の視点で、中間的な整理をしました。
執筆の大きな動機になったのは、1998年からはじめた電話相談に寄せられている事例の数々に対して、2003年から傍聴を続けている社会保障審議会(介護保険部会、介護給付費分科会)の制度改定の議論がかみあっていないことへの疑問と怒りです。
できるだけ理解していただきたいと願い、図表を多く盛り込みました。
超高齢化、少子化がすすむなかで、何が課題になっているのか、介護保険のしくみはどうなっているのか、わずか20年のあいだにどのくらい見直しが繰り返されたのかを、知っていただきたいと思います。
制度の見直しは今後も続きます。
約7400万人が介護保険料を毎月払っています。
どのような制度を望むのか、これからも多くのみなさんと考えていきたいと思っています。
ご注文は
→ 岩波新書→ 社会
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→ 新赤版1731『 総介護社会 介護保険から問い直す』
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総介護社会 ―介護保険から問い直す (岩波新書)
[目次]
はじめに 私が介護保険にこだわる理由
序章 介護問題の社会化
1 六五歳以上の人の暮らし
2 高齢の人の困難
1章 介護保険を利用する人たち
1 介護認定を受けた人たち
2 介護をする人たち
2章 介護現場で働く人たち
1 「在宅」を支えるホームヘルパー
2 「通所・施設」を支える介護職員
3 人材確保と給与水準
4 介護労働者の課題
3章 介護保険のしくみ
1 介護保険の基本
2 介護保険の財源
3 介護保険料の計算方法
4 現役世代の介護保険料
5 高齢世代の介護保険料
4章 介護保険の使い方
1 地域包括支援センターに相談する
2 介護認定を申し込む
3 介護認定の結果
4 認定システムの課題
5 「基本チェックリスト」の登場
6 ケアプランをつくる
7 サービスの種類
5章 介護保険にかかるお金
1 サービスの料金
2 利用する人の負担
3 自己負担を軽減するしくみ
4 食費と居住費の自己負担
6章 なぜ,サービスは使いづらいのか
1 介護保険を見直すしくみ
2 ケアプランは,だれのものか
3 ホームヘルプ・サービスの受難
4 特別養護老人ホームの条件
7章 介護保険を問いなおす
1 介護報酬の課題
2 介護保険に求めること
3 介護保険に市民としてできること
4 「総介護社会」にむけて
